くまもんたちのそば会

先日のブログに、大衆酒場の達人ことをのせ、大塚「江戸一」のことを書いた。
その日の夜、江戸一でよく飲んだ友達から電話があって、
「金曜日に、くまもと県人バ、四人で『おまかせのそば会』バ、やりたいんですけど、ヨカデスカ?」
と電話があった。最近、ときどき、そんなメニューにもなく、営業時間を超えたリクエストがあって、
「女子会みたいなそば会」とか「九州の引野中同窓そば会」とか「打ち上げのそば会」などを、やることがある。

電話があった「くまもん」は、「ひごもんず」(今は、その名前を引き継いだ友達が、西荻でラーメン屋・成蹊大学前で中華屋をやっている)という名前の熊本県人会の会長をしていたころ知り合った。ちょうど、ぼくが小伝馬町のIT企業の「やとわれ社長」だったころ、飛び込み営業で、くまもん(当時は保険の営業やった)がやってきた。流暢な「くまもと弁」をしゃべるのを聞いて、「なかなかお国訛がきえませんね」というと、「え、ぼくは標準語のつもりばってん、ソゲンなまっとりますか?」という。「ほかにも会社をふたつやっていて、保険はいっぱいかけているので・・・」
といって、丁寧に断って、エレベータまでおくって、「では失礼つかまつる」と別れた・・・つもりだった。
二秒後に、閉じたはずのドアがあき、「今日、飲みバ、イカンデスカ?」と言われた。絶妙なフェイント?というか不意に懐に
ボディーアッパーを食らったような感じだった。その流れにのって人形町のおでんやで飲んだのをきっかけに、長いつきあいになった。

出会う人間というのは、あらかじめ用意されている、のを感じた縁のひとつ。

その後、彼は独立して「訪問看護」の会社を立ち上げ、昨年その会社を譲渡して、悠悠自適の老後をスタートさせたらしい。
「これからは、毎日が暇ですけん、酒バ飲みによらせてください」
半世紀になる東京暮らしなのに、まったく彼の標準語は退化していない。「ひごもっこす」そのものだ。感謝。