「くうや くわず庵」みたいな、貧乏っぽいお店の存亡を心配してくれてか、
シイタケが飛んできた翌日、つまり昨日の昼に「下仁田ネギ」が飛んできた。
「つばさグリーンファーム」の「まつもときよし社長」の手土産。IT時代からのオールドフレンド。先ごろまでIT企業と農業法人
の二股社長をやっておられた。今は農業一本のランチェスターで、今年から米つくりも始めるらしい。
名前は一度聞くと誰でも覚えられるビックネーム。でもぼくのそばのお弟子さま、の末席にちょこんと座っていらっしゃるシャイな性格
の持ち主でもある。
いつも天真庵にくるときは「文膳(ふみぜん)」という、「昼酒コース」を所望される。
そば豆腐をアテに「雪の茅舎」で、一献。おつれのかんなさん(共通の友人)と、楽しい談論風発
が始まる。かんなさんは、最近瞑想中にちゃねったみたいで、あの世のことこの世のこと、
そして今年から始まる不思議世界の話を機関銃トークのように話始めた。次の「おでんの盛り合わせ」の用意を
していても、背中に向かって「ねぇ~ねぇ、野村さん、そうでしょ?。『神との対話』みたいな話でしょ!」とか、容赦ない。
何杯かおかわりをしてるうちに、精妙とはいわないまでも、テンションが落ち着いてきた。
そんな時、近くの長屋に住んでいる「みかんくん」(愛媛出身で顔がまるくてミカンみたいなこ)がカウンター
に座って「ほぼブラジルください」。彼は酒の卸をやる会社で仕事をしている。
ふたりが飲んでいる酒「雪の茅舎」を「まったく欠点のない日本酒」とお墨付きなもんだから「やっぱり、お酒も飲みます」
ということになった。
すると、こんどは「まつもときよし社長」が、ちゃねって「ぼくの後輩が、酒の卸の会社に入ったんだけど、Mって
そちらの会社にいませんか?」とみかんくんにいったら、ビンゴだった。あまたあるそのような会社の中にあった、不思議なシンクロニシティに
みんなびっくり。東京の人口が100人、深谷の人口が10人、みたいな話。
〆のそばは「おコン蕎麦」。極上の「うすあげ」に、高級ネギをたっぷり刻んで、能登の合鹿碗(ごうろくわん)で供す。
奥能登で自給自足をしながら「一汁一菜」を旨としてきた、清い蓋付きの漆器。これとそばの合体は、歴史的な産物では
ないか?と自問、いや自画自賛しながら、毎日そばを打って、ちゃんと出汁をとって、ちゃんと薬味を添えて、
愛情いっぱいのそばを供す日々是好日なり。
4時からは、岐阜から「味噌つくり」の三人組。奥では「そば打ち教室」・・・
「くうやくわず てんやわんや」な天真庵の週末だった。
今日も神奈川からさっちゃんが味噌つくりにくる。埼玉に移住したそばのお弟子さまも、味噌をつくりにくる。
昨日と同様、お店は16時まで。その後は「そば打ち教室」「UFO焙煎塾」「味噌つくり教室」
明日の朝は「玉子かけごはん」(8-10)。