おコンそば

昨日、黒板(といっても、緑色)に、新しいそば(新そばはまだ)の「うすあげUFO」
と書いていたら、女性が入ってきた。「温かいそばでおすすめありますか?」
というので、「うすあげUFO」と答えると、「じゃあ、それください」になった。
なかば、半強制的に、UFOがそのお客さんに飛んでいった。

するってーと、来月24日に「落語会」(一日で満席ごめんになった)をすることになった橘家竹蔵師匠がやってきて、
カウンターに座った。「今日は寒いね~ あったかいやつをよろしく」とのこと。「うすあげUFO」が続けてでる(笑)
師匠がきて、そばを手繰る間、お店の中は「時そば」の舞台になる。「このきつね、うまいね~」と褒め殺しされた。

閉店間際に、「押上文庫ちゃん」が珈琲を飲みにきた。彼が東京音大の学生のころ、青山の骨董屋で出会った。四半世紀のつきあい。
押上文庫の二階は、お座敷になっていて、女義(じょぎ 女義太夫)や、落語会などをときどきやっている。

閉店して、ひさしぶりに志ん生さんの落語のCDを聴きながら、酒を飲んでいた。
「安兵衛狐(やすべいぎつね)」
亀戸が舞台で、墓参りにいって「狐」の幽霊を嫁(おコン)にする小噺。まいどばかばかしい・・・
が、志ん生が演じると、笑いのるつぼと化す。
落ちが、「安兵衛もきつねじゃないか?」と彼の家に集まる長屋の住人たち。そのひとりがポツリ。
「安兵衛はコン(来ない)」。やっぱりきつねだ。

そんなわけで、昨日からはじめた「うすあげUFO」は、真打に昇進して
「おコンそば」になります。感謝。