もしも大地震がきたら・・・

正月に能登に大地震があった。
こんどは、日向灘を震源にする「南海トラフ地震」の前兆か?という地震があり、
先日は神奈川を震源とする大きな地震がおきた。

大きな地震があったら、「今後一週間は、震度〇程度の地震に注意してください」とオウム返しみたいな
アナウンスがある。田舎の山道を車で通る時に「落石注意」と書いてあるのと同レベルだ。
そして「千年に一度レベルの大地震」というお決まりの文句。
たかが100年の短い人生の刹那の中で、神戸淡路、福島、中越、熊本、そして能登・・・・そして「普段より多い確率で南海トラフが・・」
いろいろ難解な言葉ばかりが跋扈する。
この星の自然災害の2割を受け持つ日本列島に住んでいる現実から離れた言葉がいっぱい。

2018年から「能登と東京の二股暮らし」を始めた。
汲み取り便所がふたつと「あさがお」という陶器でできた男専用のトイレがある古民家。
畑もついていたので、汲み取りのままでもいいか?とおも思ったけど、「もしも東京に直下型の大きいのがきて、
能登で暮らすようになった場合」のことを考えて、合併浄化槽を自費でつくり、カナダ製の「コンポストトイレ」
を買って、設置した。300万くらいかかったけど、「能登くらしで、一番よかったこと」だと今でも思っている。
もうひとつの汲み取りのトイレは、畑に近い土間にあったので、野良着と長靴のまま入れるように、そして都会
から田舎暮らしのお手伝いをしてくれに訪れる「梅林ガールズ」のために、水洗便所にした。
「あさがおの部屋」は、コンポストトイレに使う葉っぱや、米糠、トイレットペーパーなどの倉庫にした。

今回の能登の地震で、一番困ったのが「トイレと水」だった。それは、これからおきる「千年に一度の地震」
がきてもいっしょだと思う。なにせ、小便を流すにも、大五郎(焼酎のいれもの 約3リットルの水を使う)。
普通に生活していても、ひとりが2リットルを使う。大都会で水道の水が止まったら・・・阿鼻叫喚、どころではない。
能登は大阪と同じ広さのところに、19万人が住んでいた。そんな人口密度が小さく、自然いっぱいのところで、
「トイレと水」に苦しむのだ。「避難グッズの中に必ずついている「コンパクトトイレ」も、用を足すには、
よく考えられているけど、それが毎日溜まって、どんな悪臭がでるか?までは想定外のようだ。

良寛さんが越後で大地震を体験した時の書簡が残っている。子供と毬で遊ぶ飄々な姿の和尚のイメージが強いけど、書や
残した言葉を見ると、「悟った人」だと思う。先日新潟三条の金物屋さんから「そろそろ銅のミルクパンができます」
と連絡をもらった。良寛さんの足跡を徘徊しながら、受け取りにいく予定だ。感謝。

災難に逢う時節には災難に逢うがよく候
死ぬ時節には死ぬがよく候
これはこれ災難をのがるる妙法にて候     良寛