母の日に思う!

12日は母の日。
お茶のお弟子様であるイルフィオレット(イタリア語で花)の女将に
頼んで、福岡の施設に身を寄せている92歳になる母、同じく関東の施設に
いる筆子さんの母に、花を贈った。センスのいいブーケを毎年お願いしている。
「花ありがとう。少し眠れない日があるけど、元気ばい」と母から電話。
あまりながく話すと、「牛乳石鹸の赤箱で顔洗っとうね?」と口癖のような説教話
になるので、3分ほどで電話を切った

ブーケに似た言葉で、最近のビジネスマンのスキルみたいになっている言葉に「ブーカ」というのが流行っている。
予測不可能で、大分水嶺の真ん中みたいな今の時代を「ブーカの時代」なんていう人もいる。
「ブーカ」とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つのキーワードから頭文字を取った造語で、 「VUCA」。横文字で説明すると、なんやらコンサルやアホな政治家が武器にしそうな材料だけど、
「人間性が生かされる時代」なのだと思う。「自分らしく生きる」という人たちが増えてくると、みんながそれぞれ、自分の
得意なこと好きなことをやることにより、お金ではなく、得意なことをぶつぶつ交換して「調和」ができて、今みたいに「拝金主義」みたいな風潮が時代おくれになるのではないかな。

昨日は被災後はじめて、奥能登にいった。亡くなった塩のじいちゃんの仕事場にいって、手をあわせ、
彼が大好きだった「ほぼブラジル」を、玄関に少し手向けた。
そこから輪島にナビの支持するままに走ったら、海辺の国道ががけ崩れで、不通になっていた。
もう一度珠洲を経由しながら輪島に向かった。崩壊した家を現実に目の当たりにすると、
今回の地震の大きさを実感し、頭の芯が飲みすぎの時のように疼きはじめた。車のCDを、バロック音楽にかえ、
深い呼吸をしてこころを波立たなくして、鎮魂しながら、うねった道を輪島までもどる。
大地震の爪痕は、想像を絶するものだったけど、田んぼに若い稲が光っていたのがよかった。
「やっぱり瑞穂の国、ここから新しい日本が始まる」そんな元気が沸々と体の中から湧き上がってきた。

「酒ブティック奥田」で、被災してラベルなどがはがれ、キャップがいがんでいるような「酒」を選んで
東京におくってもらった。一本は「TOGISO」でその日に若いくんたちの集まりがあるというので、土産にした。
平均年齢が30歳を割る(ぼくと筆子さんをいれて計算すると、30を大きくでる)人たちと、
「今後の能登をどぎゃんする」とかいう話題で盛り上がった。
でも頭痛がおさまらないので、2時間ほどでお暇することにした。夕焼けとは違った「オーロラ」みたいな空が
印象的だった。
小林旭になった気分で「熱き心」を口ずさむ。

♪オーロラの空の下夢追い人 ひとり風の姿に似て熱き心 きみに~

家につき、まだ寝るにははやかったので、アマゾンプライムで「君は放課後インソムニア」を8話ほど見た。
能登半島を舞台にした人気アニメ。被災する前の能登の風景が抒情的に描かれている。
インソムニアとは、不眠症のことだ。日本のアニメはほんとうに芸術レベルやね。おもしろすぎて、眠れなくなった(笑)

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