能登くらし よっかめ

今日は、いい天気だったので、朝の徘徊散歩。
いつもタコを釣る港まで25分。途中の神社は鳥居がくずれ、
知り合いの家にも「危険」という張り紙(全壊)が・・・

港にいってびっくり。輪島港あたりが隆起して海が遠くなっていると同じく、
港が隆起して、海底が見える。たぶん、1mくらい隆起している模様。
伝馬船も津波で流されたりしているようだ。
10分くらい海底を見てまわったけど、タコの気配がない。

「令和の釣りキチ三平」よろしく、二日に一尾ペースでタコの釣果があったけど、
昨年はシーズン中で一尾だった。タコは人間よりも地震の予知能力があるに違いない。

家にもどったら、近所の親切じいちゃんが「あと5分で、軽トラでゴミを捨てにいくバイ(バイは捏造)」
という。先日も軽トラでぼくの家の被災ゴミを2回も運んでくれくれたのに、「まだある」とふんで、
「いっしょにいこう」という。倉庫の中の被災ゴミを5分で積んで、ふたりで軽トラドライブ?
昨日まで役所がゴミ集めの場所だと思っていたばってん、その先の「野球場」だった。
雨漏りでぐちょぐちょになった畳、瓦、壊れた家電、木材、器、ガラス・・・・など、「やまんごと」(やまになっている、という九州弁)
になっている。若いボランティアや、昔若かったシルバー人材センターの人たちが、軽トラに積んだゴミをいっしょに降ろしてくれた。
水曜日以外は毎日9時から16時まで、働いてくれているようだ。頭が下がる。

帰りは、じいちゃんが「違う道で帰るバイ(バイは捏造)」といって、被害が大きかった地区を
通ってくれた。全壊で二階建てが一階になっている家屋、傾いている家などを見て絶句。
「奥能登はこんなもんじゃないト(トは捏造)」
なにをしゃべればいいかもわからないくらい無口になった助手席の都会人をなぐさめるように、軽トラは
「やまんごと、ではなく、山の中」に走っていった。
じいちゃんが、屈託のない笑顔で、「来月はここでタラの芽が獲れるケン(ケンは捏造)、いっしょにこよう」
とのこと。
「じゃー、ぼくが天ぷらそばをつくります」と約束。

そんなパーフェクトデイズ」みたいなことがあって、家にもどったら、自宅の玄関脇に、大きな脚立がたって、
若いにいちゃんが瓦を修理していた。「?????」
と思っていたら、耳にピアスを3ちくらいした瓦職人さんが下りてきた。「WHY????」
今回の地震で、瓦やさんがてんわやんわ。コネもないし、「地元の人からどうぞ」
と、うっちゃっていた屋根を、くだんの電気やさんが、電話して「あそこなんとかしてやってッチャ(ッチャは捏造)」
と瓦やさんにお願いしてくれたらしい。

今日は強風で、屋根にのぼるのがすこぶる危険そうで、いっそう恐縮しながら、「ほぼブラジル」で珈琲タイム。
「この2か月、屋根の上で余震を受けるようなことも、慣れました」と、ピアスくんが笑う。
確かに、毎日のように余震がある。(今日は福島も揺れたし、千葉も頻繁に揺れているけど)

明日から天気が壊れることを危惧して、無理やり来てくれたらしい。

まだ能登に月の10日間だけ住んで6年。小学校を卒業するかどうかのガキだけど、
小学校どころか、大学院でも学べないようなことを毎日経験させてもろうています。
今日は、能登豚のしゃぶしゃぶをつくって、「谷泉」で夕餉。梅茶翁の近くの酒蔵で
今回の地震で全壊になって、再建が危ぶまれているけど、「こんなにいい酒」は、ぜったいに
他ではできないので、がんばっていただいきたい。ぼくは、「飲む」ことしか応援できないばってん・・感謝。

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