小説 能登

直木賞作家で、能登の七尾出身の「杉森久英」の「能登」という小説がある。
作者の複雑な家庭環境の中での葛藤とか、古きよき時代の能登の風物詩が描かれていておもしろかった。
七尾のは一本杉通りといって、老舗が古色蒼然としたまま残る一角で作者は生まれた。
今回の地震では、その通りも甚大な被害を受けた。

ぼくの能登の家は、志賀町にある。今回は震度7の地震で報道され、全国区になった。
もともと、九州の海賊か漁師が訪れ、志賀島と同じような風光明媚な海を見て、そう名付けた
に違いない。歩いて10分もしないところに、「やせの断崖」という断崖絶壁がある。
松本清張の「ゼロの焦点」のクライマックスに使われた場所。小倉生まれの著者は、一度も能登
を訪ねずに書いた、を小倉の松本清張記念館で知った時は驚いた。
映画にもなり、うちの集落の船小屋の風景がロケ地になったらしい。

先日、宮本輝の「幻の光」という短編を読んだ。

きのう、わたしは三十二歳になりました。兵庫県の尼崎から、この奥能登の曾々木(そそぎ)という
海辺の町に嫁いできて丸三年が過ぎたから、あんたと死に別れて、かれこれ七年にもなるんです。

から始まる。「あんた」は、7年前に自殺。どうしてなんだろう、と能登で新しい生活を始めてもすっきりしない気持ちと、
奥能登の厳しい冬の海の模様が心象風景になって、「さすが、宮本輝」といった感じの短編。
曾々木の近くにあった「栗屋さん」も今回の甚大な被害にあって、能登を離れる決心をしたらしい。

能登は、大阪府と同じくらいの面積の土地に約19万人が住んでおられ、毎年人口が減り続け、過疎が
全国でもトップクラスらしい。今回の地震で、若者がまた都会にもどり、高齢者がよその土地で暮らす
ようになると、より一層加速するのだろう。
でも大事なことは、これからどこで今回みたいな大地震がくるか予測はたたない。
この国のリーダーたちは、旧統一教会とズブズブの関係で、裏金つくりや私腹を肥やすこと、「今だけ、お金だけ、自分だけ」
の輩ばかりだ。
「もしも、今住んでいる場所に大地震がきたら・・・」というシュミレーションと、備えを、大事な家族や友達と真剣に考える
必要があると思う。正月、旧正月(2月10日?)、盆、暮れに関係なく、突然やってくるのだから・・・。

毎日味噌つくりの2月。味噌をつくるのも、「備え」のひとつ。感謝。

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