先週、背が180くらいで、髪を金色に染め、首や腕にタトゥを施した青年が
カウンターに座った。
生まれが北九州のぼくは、小さいころから銭湯で、もんもん男は見慣れていて、
美術館で絵を観るように、たくさん鑑賞してきたので、あまり驚かないばってん、
青年の目が、きれいに澄んでいるのに感心した。
そばをズズズと手繰り、蕎麦湯を美味そうに飲み干し、ホボブラジルを飲みながら
「ほぼブラジルってなんですか?」と質問する。「必殺技ココナッツヘッドバットの黒人レスラーで、
ボボブラジルというのがおったろーもん?」と言うと、「????」の顔をした。
たぶん、まだ30代くらいの人で、力道山もボボブラジルも知らない世代。
反対に「きみは何をしているの?アーティスト?ヤクザではないよね?」と職質みたいな質問をしたら、
「アフリカの支援みたいなことをしています」とのこと。ある時、エチオピアにいって、現地の人
たちが、淹れる珈琲に感動して、珈琲にはまっている、という話をした。
「311の時、避難所に珈琲の道具を積んでいって、避難している人たちの中に入り、『仲間にいれてください』といって、
珈琲を振舞いながら、家族や親せきには言えない「本音の話」を聴きながら、いっしょに珈琲を飲んだ」話をされた。
「3月の終わりに、軽トラを借りて、能登の避難所にいく予定です。『天真庵にある能登のフリーペーパが参考になるよ』と友達
に聞いてきました」というので、「ぶらり能登」を手渡し、「いく時は、ホボブラジルを寄付するけん、寄って」
と伝えた。
被災した家にどろぼうに入るような日本人もいれば、こんな青年も同じ日本人。
単一民族といいながら、ほぼぶらじるみたいに、いろんな種類のごちゃまぜブレンド民族でもある。感謝。