梅茶翁(ばいさおう)の梅を剪定(せんてい)にいく。
もう7回目?になる。
小学校なら卒業して、中学にあがったことになる。
前日は、梅茶翁の新しいペチカの部屋で、オンドルみたいに
暖かくなった椅子に座って、忘年会。中学生が酒を飲むと「アル中?」ペチカは、煮物なども作れる。
コトコト・・・とゆっくり炊いて、煮含める・・・滋味深い素材を生かす料理ができる。
縄文時代から「火」は、暖をとると同時に調理器具も兼ねる。
琺瑯のポットに水を入れておくと、お湯になり、その湯で珈琲を
淹れると、放浪人生の句読点みたいにホッとするする。
ユラユラと燃える火を眺めながらウイスキーを飲むと、
思わず、♪ダンダンデュビー デュビーデュバー・・・
昔懐かしいサントリーオールドのCMソングを口ずさんでいた。
放浪や、その火暮らしの醍醐味を感じながら酩酊する至福時間。
梅茶翁は能登町の山の奥、瑞穂(みずほ)という山紫水明の里にある。
移住した7年前は、囲炉裏とロケットストーブで暖をとっていたが、真冬の
寒さがハンパないので、何年かかかって、半分DIYで、ペチカをつくった。
ワークショップに参加するメンバーも鈴なりで、珠洲の「ガットポンポコ」さんも
自分でペチカをつくった。
DIYライフマガジン『dopa(ドゥーパ!)』2024年1月号の特集は「蓄熱ストーブ大全」。
ガットポンポコが大きく紹介されている。天真庵のHPにも、ガットさんがリンクしてあるよ。
雨か雪の予報だったけど、昨日は朝ごはんに「ガレット」(ひじきや、バナナ、のりなどをはさんだ。
サンドイッチと同様、何をはさんでも自由だ)を食べ、梅林へ・・・
桜切るバカ 梅切らぬバカ の諺があるように、梅は手入れすればするほど元気になる。
梅は、春を告げる花であり、「うみなさい。新しいことをしなさい。自分らしく咲きなさい」
という言霊をもつ木だ。可憐な花を開いた後は、梅の実になり、梅干し、梅味噌、梅シロップ、黒焼きなど
にすると、人を元気にする。天真庵では「梅おろしそば」が大人気で、そばつゆの素の「かえし」にも、副産物の
「梅酢」を隠し味にしている。梅を元気にするお世話は、そのまま自分を元気にすることと同心円にある。
自然の中に身をおくと、和敬清寂、という「お互いさま」が理屈じゃなく理解できる。
「田舎暮らし」の神髄は、「生活費が都会よりもかからない」とか「家賃が安い」とか、不動産的な
問題ではなく、「自分らしく生きるには?」の問題やと思う。
ぼくらは、ほんの一瞬、この星につかの間の旅人としてやってきた。せっかく日本にきたのなら、「こころの原点」
みたいな「能登」にくるとよい。
来年は北陸新幹線が福井まで伸びる。金沢までのアクセスがまたぐっとよくなる。
おかげで金沢はオーバーツーリング現象で、街中でオナラをすることができないくらいにぎわっている。
もうすこし足を延ばして能登までくれば、縄文時代から続く自然や暮らしが残っていて、「人間にもどれる」
様な気分を味わえるかもなんばん。感謝。