「地がらし」を使うと、おでんが北陸の郷土料理に

昨日は、年に一度、カリスマ占い師を読んでの勉強会。
ぼくは、厨房の中で、おでんの仕上げと、そばの準備をしながら
話を盗み聞きしていた。
「野村さん何か聞きたいことありますか?」と先生が投げかけてきたので、
「なにもありません。最近は、弱い頭を使わず、直感だよりのその日暮らしです」
というと、笑っておられた。

おでんの季節だ。昨日は「コロ」のことを書いた。動物愛護団体がどのように発足して今にいたるか、
などまったく知らないけど、そろそろ「くじら」をどうにかしてほしい。「おでん」の種にしたいのであーる。

昨日は「北陸風のおでん」にした。出汁は、暖かいそば用に、鳥ガラスープ(鳥ガラ、能登の椎茸、昆布、野菜)は
いつもあるので、その中に、玉子・こんにゃく・練りもの・じゃがいも・豆腐・・などをいれ、そば用の「かえし」
と塩で味を調整する。東京でおでんを作るときは「ちくわぶ」を入れないと、ブーイングがおきるので、それもいれる。
大根もなしだとブーイングがおきるけど、虫、いや無視。つゆの味が濁るので、種にしたことがない。

昨日は10人集まった。ネギを3本刻んで、久保さんの備前の片口に入れる。京都の老舗料理店に
収めたもの。あちらでは、〆のごはんの時に、香のものをのせるらしい。
能登の「はしもと食堂」では、おでんが、九谷焼のどら鉢にいれ、たっぷりの刻み葱をのせ、どら鉢の端の
のせた練りからしをつかながら、フーフーしながら食べ、富山の「立山」を燗にして飲む。
おでんの種で人気なのが新潟の車麩。昨日はその「きざみぎ&車麩」をいれた。それだけで、北陸風になる。

仕上げは福井の「地がらし」。福井市足羽山付近では、県産のからし種を殻ごと粉にしたものが「地がらし」の名で呼び、田楽(これがおでんのルーツ)、夏野菜の「からし漬け」、冬の「おでん」などにかかせないものだ。
少し粗目でマスタードみたいな風合いの粉を、すり鉢にいれ、熱々の熱湯を加えて、すりこぎで練る。
チューブの辛子は便利だけど、昔から「練りからし」というのだから、少し手間はかかるばってん、ねってみんしゃい。
コンビニのおでんはおろか、ぽっと出のおでんやよりも、美味しいおでんができるばい。

そば用の寸胴いっぱい作ったおでんが、あっという間に空になった。
〆のそばを、そのおでんの汁ですすると、「明日地球が終わってもいいや」みたいな気分になる。

世界中が混とんとしてきたけど、毎日毎日を、快食・快飲・快眠・快便・・・・で不足なしだ。
美味しいものを食べる、よりも、おいしく食べるほうが一枚上手。
美味しく食べるコツは、いい友達といっしょに食べる、が一番。
いい友達をつくるコツは、自分がまず「いい友達」になることだと思う。感謝。