12月になるとテレビで「忠臣蔵」などをやる。
「時は元禄15年12月14日 江戸の夜風を震わせて、鳴るは山鹿流の陣太鼓!」
討ち入りの計画をたてるのが、蕎麦屋の二階。
チェーン店やコンビニのない時代、歴史を揺るがすような密談とか、
男女の逢瀬(これも、場合によっては歴史を変える)など、蕎麦屋の
二階で酒を飲みながら・・・というのが一般的だった。
天真庵の改装をしてくれたのは、中西くんを中心とした芸大を卒業してすぐの
若者たちだった。彼は芸大の建築。16年たったので、中西君も50の坂を超え、手伝いの人
たちも「人生の中仕切り」を迎えている。
昨日はそんな繊細でちょっと世間ずれしている芸大出の学生の中にあって紅一点の
女子だったMちゃん。まだ五十路の手前で、バリバリ内装や改装をしている。
近くの元・蕎麦屋を改装した縁で、そこの二階、つまり「蕎麦屋の二階」に住んでいる。
長野出身ということもあって、無類の蕎麦好きで、ときどき蕎麦を手繰りに天真庵にくる。
「50までに、そば打ちをやってみたかった」ということで、昨日念願かなって「そばもん」
の仲間になった。「水回し」をやっているフンイキで、「これはただもんじゃないな」といオーラが漂っている。
ヨネクラボクシングジムの故・米倉会長が「新人がジムにくる日。靴の脱ぎ方、着替え、縄跳び・・の雰囲気で
チャンピオンになれるとか、だいたいわかる」といっておられた。まさにそんな感じかな?
長野の小学校時代に、先生が「毎日食べてもあきないのは、カレーですか蕎麦ですか?」と質問したらしい。
彼女だけ「そば」と答え、残りの生徒は「カレー」に手をあげたという。
今どきの話ではあるけど、「そば」に手をあげた彼女に拍手したい(笑)
とても寒い日になったけど、令和版の蕎麦屋の二階から「新しい歴史の一ページが始まる」みたいなものを感じた日曜日。感謝。