落語に「長屋の花見」というのがある。
大家さんが貧乏長屋の人たちに「景気づけに上野に花見にいこう」
と、上野公園にでかける話。酒ではなく、お茶けをもっていって、お茶盛りする話の
顛末がおもしろい。とくに柳家小三治さんのがいい。YouTubeでも見られる。
昨日は、4年ぶりに墨田川花火大会が開催された。日中は猛暑だったけど、
うらぶれた十間橋通りにも、ざわざわした祭りの前のときめきみたいなものが感じられた。
墨田に天真庵を結んでからこっち、ずっとその日は「浴衣ライブ」をやっていたので、
昨日ははじめて、ゆっくりと花火を見る予定だった・・・・
7時から花火がはじまる予定だった。まだ明るい中、「これから」という時、天真庵のオープンエアーな
スペースの椅子に座り、久保さんの白いショットグラスのような酒器に、能登の地酒「亀泉」を注いで飲んで
いたら、界隈の人たちが集まってきた。実は、天真庵の前のアコレ横の路地からは、花火がよく見える。
界隈の人たちは、その隠れビュースポットを昔から知っているのだ。
手酌で飲んでいたら、近所のくまもんさん(熊本出身)が、「ひさしぶりの花火だな~」というので、
「ま、一杯どうぞ」と亀泉を一杯さしあげた。お茶けより、ものほんの酒は美味い。
すると、くまもんの奥様(このひともくまもん)が、キャンプ用の折り畳み椅子を5個、ビール、
加賀鳶(石川の地酒)などをもってこられた。足の悪いおばあちゃんたちが、「これはらくだ」
などといいながら、椅子に座って見物。
すると、大家さんの家族も焼酎をもって花火見物にやってきた。ぼくよりふたつ下の大家さん。いつもは焼酎を飲んで
いるらしい。「たまには、ポンシュもよかよ」といって、むりくり、亀泉をごちそうした。中条きよしによく似たハンザムなおっさん。
するとこんどは、近くのスナック「こころ」のママが、新潟の八海山をぶらさげてやってきた。「さっき、ごちそうになったお礼。
みんなで飲んで」とのこと。さすがに、この界隈は下町人情にあふれたところだ。
大家さんは、「こころ」の常連なので、「じゃ、こころにいって、中条きよしの「うそ」を歌ってくれない」
といったら、素面になって「ぼく歌はダメなんです」という。しかたないので、自分で♪折れたタバコのすいがらで・・・
と歌った。すっかり、花火など無視して、宴会モード。7時から一時間半の間に、2万発の花火があがったらしいけど、
三つ四つみただけで、あとは酒を飲んでいた。でもなんだか、忘れがたい思い出ができた。
今日も12時から16時まで営業。それから「そば打ち教室」「UFO焙煎塾」
来週は銀座で「浴衣祭り」みたいなイベントがあって、銀座の隕石屋の王子が、そこで珈琲をだすらしい。
「ほぼぶらじる」の注文が8kきたので、明日の朝の「卵かけごはん」は、もくもくサロンに
なっているかもなんばん。隕石屋がそばやに珈琲豆を依頼する。これも摩訶不思議な話だ。
銀座の松屋の裏手に「隕石直売所」の看板を見つけたら、珈琲を飲んでみてほしい。
エスプレッソマシンで供される珈琲は、新しい「銀ブラ」(銀座でほぼブラジル)になりつつあるのだ。感謝。