今朝の天声人語は「週刊朝日」の休刊。
100年の歴史に緞帳を下げることとあいなった、らしい。時代を感じる。
散髪屋でくらいしか週刊誌にふれることはないけど、どの雑誌も
「のぞき見」みたいに、皇室から芸能人、政治家のスキャンダラスな記事や、
エログロな記事で「売り上げをのばそう」としているものばかり。そんな中にあって、高校野球よろしく、
丸坊主で、時代のテーマソングにあわせて、整列しながら行進するような清さがあって、ぼくは
好きな雑誌だった。でも、ネット社会になって、だれはばかることなく、隠しどころのない赤裸々な人間模様
を、いつでもどこでも覗き見できるような時代には、無用なものになったのかもなんばん。
新聞の中のページに写真入りで、今話題のマンガが紹介されていた。
「異世界蒲田」・・・お笑い芸人の「ライス田所」さん原作で、人気らしい。作者も蒲田生まれで今も住んでいるとのこと。
うちの筆子さんの生まれ育った町でもあり、よくいく街でもある。飲み屋の人口密度?が、新宿のそれを超えていて(今は知らない)、
普通の家の一階がスナック、みたいなところが、当たり前。そんな猥雑なところが魅力だ。
そんな猥雑な下町に、唯一無二な寿司屋や中華屋やとんかつやがあったりするアンバランスな不思議がまたいい。
筆子さんの家の墓参りの時などに、立ち寄る銭湯がある。二階が食堂になっていて、ときどき土佐周りの演歌歌手
がきて、新曲のキャンペーンをやったりするので、壁にはいろんな歌手のポスターが飾ってある。
スポットライトを浴びた歌手とは違った人間ドラマが垣間見れて、とても居心地がいい。そこで演歌を聞くと、ジャズ
みたいに心臓の鼓動と波長があう。
山頭火の「まっすぐな道でさみしい」がわかる。
あまり教えたくないばってん、「聖兆」という中華やさんがある。前は駅前のアーケドー街の片隅に
あった。そこが再開発になり、6年半のブランクがあったけど、東口にオープンした。
六本木などに作ったら間違いなく「見知らぬ」の星がつきそうなレベルの包丁さばき。でも彼は「蒲田」なのだ。だから
誰も見知らぬ名店。そんな店を知っているのは、とても幸せなことだ。
そんな「聖兆」があったりするのも「異世界蒲田」の魅力かもなんばん。感謝。