天真庵のオリジナルブレンドは、「ほぼぶらじる」。
昭和の名レスラー「ボボブラジル」から命名した。博多出身の「タモリ」さんが、
昔よくネタにしていたけど、九州(とくに博多まわり)では「ボボ」とは、女性のアソコのことや、男と女が
まぐわることを表す言葉。「だから、九州のスポーツ新聞は、彼のことを「ポポブラジル」と書いていた」
ような話を笑いのネタにしていた。力道山あたりの時代のレスラーなので、彼を知っている人は
「アラカン」かあらかた高齢者に限定されてきた。
ときどき、そばを手繰りにこられる九州の先輩がいる。今年73歳になるけど、まだまだバリバリの現役で働いている。
店に入ってくるなり「ボボブラジルば飲みにきたばい」と挨拶する。
「80まで働こうと思って、今年もツバつけちょう会社があると。歩合制に挑戦しようと思っとと~よ」と目を細める。
「ところで、能登休みはホームページに、ノットート(載ってる?・という九州弁)?」と真顔でいう。最近3回くらい使うネタだ。
この先輩は、シャンソンの上原英里さんを紹介してくれた。プッチャリンさんも同級生で何度か連れてきてもらったし、
英里ちゃんのライブに、チャップリンの恰好してジョイントしてくれたこともある。うれしい初耳で、「プッチャリンがくさ、72歳にして初婚の結婚ばしたばい」とのこと。こんど浅草の舞台にでる時、お祝いをもっていこう。
その先輩も芸名をもっている。「しまうまおじさん」。しろうとだけど、玄人はだしの域に達した芸とか、ファッションセンスが
半端でないので、興味のある方は、「インスタ」とかで、ふれあってみてください。
「しまうまおじさん」で検索すると、一番上に「しまうまおじさんのコーディネート一覧 – WEAR」がでてくる。
最近しまうまおじさんがはまっているのが「ゲストハウス巡り」と「キャンプ」
「今度九州に帰ったら、八女(やめ)にいって『天空の茶屋敷』というゲストハウスにとまってきんしゃい」とのこと。
「そういえば、去年買った『隕石粉引きの珈琲カップ』(隕石カップを勝手に命名)よかよ。キャンプ場であれで珈琲飲むと、
まわりにうけるっちゃ」とのこと。
続けて、「ショールームに『USO』ってあるばってん、あれなんね?」と問うので、
「珪藻土焙煎器でUSOではなく、UFO」と答えると、すかさず「ウッソー(USO)」といって笑った。
一事が万事、そんなお笑い芸人みたいな調子の73歳のしまうまおじさん。
「ぐるっと街を散歩してから、『ウッソー』ば、買いにくるけん、とっとーって!」といって、雨の中を散歩にでかけた。
そば打ち教室が終わり、後片付けをしていたらもどってきて、「ウッソーと、生豆を買っていくばい。来月のキャンプが
楽しみになってきた。」といって、「豆が多いほうが、得した気分になるけん」といい、珈琲豆が3つのったUFOを選んだ。
「生豆は、デカマラにする」と、おらぶ。こちらがおらぼーごた気分になったけど、小さな声で「ガテマラですね」
と確認した。これからずっと、しまうまおじさんは「デカマラ」を指名し、贔屓にするに違いない。
キャンプ場で、『ぼぼうらじるがくさ・・』とか『やっぱ、デカマラがよかね』とか言いながら、「USOで焙煎」し、「隕石粉引き珈琲カップ」で珈琲を楽しむ先輩の姿が目に浮かぶ。
昔から「弁護士」「医者」「坊さん」が、持つべき友の三種の神器とされているけど、「しまうまおじさん」
みたいな友達がひとりいると、けっこう人生がおもろくなるばい。昨日も、隣にいた「梅林ガールズ」ふたりが、
しまうまおじさんと仲良くなった。変なおじさんは天国にいってしまったが、このおじさんは、80といわず、
元気に生きていてほしい人だ。感謝。