Z世代はもう酒を飲めるっちゃね?

Z世代とは、1990年代後半から2012年頃に生まれた世代のこと。14歳から27歳ぐらいの世代。
今年のはじめ、姪っ子のユズが「ご無沙汰してます」といって、お店に入ってきた。
マスクをして、化粧をしているので一瞬、ボケた老人のような「?」な顔になった。
すかさず、マスクをとり「えーちゃん、わからなかったでしょ? ゆずで~す」といって笑った。
母親とわかれてたのが一歳。人に言えないくらいの寂寥感や、さみしさはあったと思うけど、
二十歳の大学生になった。典型的なZ世代だ。

20年前といえば、インターネットが普及したころ。
つまり、このあたりで産まれた子たちは、物心つくころからインターネットがあった。
だから、まだ幼稚園にいく前から、ネットにふれていて、テレビよりもネットの影響のほうを多くうけている。
じいちゃんたちが、テレビのCMで青汁を買う、とは対照的に、ファッションや飲食店なども、ネットできめる世代。
その前の世代は「ゆとり」とか「さとり」の世代とか言われていたけど、Z世代の人たちは、環境とか政治とか、
日本の伝統的な文化などにも興味を示す世代でもある。先日、そんなことを痛感した。

お昼すぎに、お店に若い女子が入ってきた。テーブル席が、埋まっていたので「カウンターにどうぞ」で、
座ってもらった。「友達と待ち合わせなので、珈琲を先に注文して、あとで蕎麦を食べてもいいですか?」というので
「OK牧場よ」と答えた。近くにできた大学の一年生で来年成人式らしい。Z世代だ。
メニューを見ながら、「論語の会、私参加したいです」とのたまう。「25年続いた会だけど、先生も生徒も
それだけ歳をくい、鬼籍に入ったり、入口だったりの人が多いので、コロナ禍のこともあり、今はやっていない」
「残念、受けてみたかった」  でも、若い女子が入門することをきいたら、草葉の陰からでてきたりして(笑)

10分くらいしたら、同級生の女友達がきた。メニューを見て「やっぱり、蕎麦屋は、そば前よね」
といって、いきなりステーキならぬ「アゴ酒」を所望。15年店をやってきたけど、女子大生が、
そば前に「あご酒」というのは初めてだ。黄瀬戸の片口に、焼きアゴを入れ、能登の地酒の「宗玄」の熱燗を
継ぐ。おちょこを選んでもらった。「この緑の猪口が素敵」といっった。
「この六角形のちょこは、オリベの六角いうねん」というと、「素敵!大学では教えてくれない」
「そうか、わしのいった立命館では、ちゃんと教えてくれたんだけど・・」(ウソ)

40以上も年下の彼女たちと、談論風発しながら、時代の変遷を思い知らされる。
〆の蕎麦を手繰って、お勘定の時に、「あご酒姫」がいった。
「『古民家カフェで~す!』とかいって若い子が挨拶するような店は、がっかりするけど、
お店の建物の古さとオーナさんが同世代で一緒になっているようで、とてもいいですね」とのこと。
おもわず「ありがとう」と答えた。
この天真庵が立ったのは、昭和20年。今年で77年になる。細かいことはいいけど、
そのくらいの年齢に見えているのかもなんばん。