マキリ包丁にサックができあがった。

能登では、朝タコ釣りをする。大きなタコが釣れた時は、
その場デ、タコを〆る。目と目の間を、包丁なんかでしめる。
そうすると、鮮度をたもったままの状態が保てる。
最近、魚の神経〆などが流行っている。

能登では漁師が船をのるとき、「マキリ包丁」というのをもってのるのがならわし。
ロープを切ることができ、獲物を捌いたり、丘にあがれば、鉈(なた)のかわりに、木をきったり、
山菜などをとる時にも使える。水陸両用のすぐれもの。北前船で、九州から北海道まで渡っていく間に、
進化していった、とつたえられる。

ぼくは、タコ釣りの時、ショルダーバック(ウナ作)の中に入れている。最近、能登でも熊がいるし、
タコを〆たり、季節季節の野花を採集する時にも便利だ。
能登の「ふくべ鍛冶」さんに注文すると、一年くらい待つけど、素敵な「マキリ包丁」ができる。

さて、その包丁だが、「自分でサヤを作る」というのが能登のルールらしい。
・・・・まじめに、「そのうち・・・」と思っていたら3年経過した。

今回の九州の旅にも、リュックの中に、マキリ包丁をしのばせていた。
そして長崎の「猪原金物店」にいって、アーティスティックなナイフが並んで
いるのを見て、「このマキリ包丁のサックお願いします」と店主にお願いした。
昨日、佐世保のナイフ作家さんから、「できあがりました」と手紙と、皮でつくられたサックと、
わざわざ研いでくれたマキリ包丁が届いた。注文して一週間。信じられないくらい「いい」。
あまりに素敵なので、リュックにいれて、徘徊散歩にも連れていった。
職質されたら、銃刀法なんやらかんやら法に抵触するやろね・・・

「カスタムナイフ作家 松崎猛」とネットで検索すると、動画で紹介されている。
まがいもなく、「世界一のナイフ作家」なのだ。会社員・作家・農家・・・
三足の草鞋を履いた宇宙人みたいな人だ。感謝。

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