筆の衣桁(いこう)を骨董屋で発見

着物などを掛ける鳥居型で、屏風のように自在に開く家具のことを衣桁(いこう)という。
天真庵では、二階で展示会をするとき、衣桁に板をおいて、器などを並べる。
長くやってきた京都の作家の「染めもん展」の時は着物や、帯をかけた。
ミニマム生活が流行し、あまり家具をおかない若者には、かえって重宝がられ、茶箱と同様人気が
蘇りつつあるみたい。「衣桁を買いに行こう」といっても、売ってるとこはないかもなんばん。

先週の水曜日、徘徊散歩で亀戸の骨董屋の前を通ると、筆掛け?というか、小さな衣桁に
筆が3・4本かかっているものを発見。いつものように、玄関の鍵はかかっていて、
「近くにいます。御用のかたは、下記の電話でおよびください。店主」とかいてある。
電話をしたら「20分くらいで帰ります」とのことで、ぶらぶら歩いて亀戸駅ビルの上の本屋にいく。
天真庵のことが、見開きで紹介されている「60歳からはじめて人生が楽しくなる100のこと」(宝島社のMOOK本)
が、10冊くらい積まれていた。先日いったスカイツリーの本屋にも20冊くらい積んであった。
いつも掲載されたときは、付き合いで20冊くらい購入させてもらう。

でもなんだかうれしくなって、「骨董屋のおやじの手土産にしよう」と思って、5冊買った。
てくてく同じ道をもどったら、骨董屋の主人が、染付の小さな急須で、宇治茶の新茶をいれて歓迎してくれた。
煎茶椀は、井上春峰作。なかなかのものだ。「茶たくがなくてごめん。」といった後、「あると、みんな近くのそばやが
買っていくんで・・」といって笑った。お菓子は到来ものの煎餅。飄々とした主人らしいおもてなし。

昨日、能登の家に到着。氷見の「すしのや」で寿司をつまみ、近くの本屋に立ち寄り。
「60歳から・・」を能登の人たちも配ろうと思ったら、売り切れだった。定員さんいわく
「10冊ほど並べたのですが、すぐに売り切れて、入荷待ちなんです」とのこと。
本を5冊ほど買って、和倉温泉の「総湯」へ。全面改装で数か月お休みだった。あいかわらず、「いい湯だな」の最高峰。

さっぱりした後、能登の家へ。一日目は、釣り用クーラーに入った東京のあまりもので飲む(料理はしない)
、を基本にしている。そば豆腐、いぶりがっこ、こんぶとシイタケの佃煮・・・などで、クロキリオンザロックと遊穂(UFOの街の地酒)を
飲む。

その間に電話が二本。
千葉と金沢の女性。「60歳・・・」を読んだらしい。
千葉の女性は能登の志賀町から千葉に嫁いだ女性。金沢のひとは「普通はコンビニに置いてある本は買わない
のですが、何か不思議な力を感じて、思わず買ったら、おたくの記事があった」とのこと。
今まで、いろいろな雑誌に紹介されてきてけど、これまでとは違う反響にびっくり。
「60歳からはじめて人生が楽しくなる100のこと」のひとつとして、「能登と東京の二股暮らし」
が紹介された。

でも60を超えて、一番楽に(楽しくでもある)なったのは、「きめない」と決めたことだと思う。
「こうあらねばならない」という呪文から解放された。
「雑誌でどんなに反響があっても、毎日お店はあけない」「土日は16時で閉店」(笑)
今は能登と東京のデュアルライフ(二拠点生活)を中心にしているけど、車が運転できなくなったら、
もう少し便利なところへ引っ越しすることになるかも知れないし、能登の冬の寒さに耐えられなくなったら、
九州に移住することだってある。病気になったら「やっぱり東京が一番ばい」となる可能性だってある。
能登の珪藻土七輪焙煎で、ニューヨークやブルックリンあたりに勝負をしにいく可能性も、ゼロではない。
今朝も朝から、能登の炭をおこし、ガラガラと手回し焙煎をした。感謝。

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