この夏は、そろそろソロキャンプ?

ときどき、「旅の名人」がやってきて、文膳(そばやの昼酒セット)を頼まれる。
大手の電機会社を定年退職された後、車で全国を旅するのがライフワーク。
「ねこそぎ軍団」みたいに、夕食・朝食・お土産をみなソコだけで終わらせるような旅館は避け、
カウンターに座り、地元と人たちともふれあえるような居酒屋を探し、その近くのビジネスホテルや
小さな宿に素泊まりで泊まる、というスタイル。
ぼくたちも、30年以上、そんなスタイルで、九州までの里帰りを「夜逃げのようなスタイル」で、
いろいろな知らない街に寄り道しながら、旅をしてきた。

この名人は、「ソロキャンプ」の達人でもある。能登珪藻土七輪の「よくばり七輪」をいつも車に入れて、
各地のキャンプ場にでかける。煮炊き、焼き物ができるほか(ぼくは珈琲の焙煎に使っている)、蓋がついていて、
火消し壷の役までOK牧場だ。その蓋をキャンプ中は、土台にでき、家のテーブルの上で同じことをやることができる。
「切り出し」(珪藻土の層から切り出して、職人が型をつくる)なので、遠赤効果がバツグンで、使いおわると、すぐに冷める
るし、軽いので、キャンプにはもってこいの商品。

ぼくの珈琲塾のお弟子様たちも、愛用しているので、ときどき能登の珪藻土さんにいって、調達している。
ところが、ながびく「巣ごもり」と「キャンプ流行り」の影響、職人不足で、なかなか調達が難しくなってきた。
おまけに、キャンプが盛んなアメリカやヨーロッパの人たちが、「日本の珪藻土七輪」の良さに気づいてしまって、
幾たびに、外国向けのコンポが多くみられるようになった。合羽橋で外人さんたちが、日本のホンモノ包丁を求める
風景と同じ現象。テレビなのでそんな模様が伝わってから「ぼくもほしいボリボリ・・」となるのが、日本人。
音楽や映画や芸術なども同じで、海外で評価されたり、名だたるコンクールで賞をとったら、大騒ぎをする。
ミシラヌ国のミシラヌ会社のお墨付きをもろうた飲食店に、金魚のフンよろしく通う姿もみな同じ現象。
もっと、自分の国の文化や芸術を、自分の言葉で、語れるような「精神的文化力」を蓄積してもらいたいものだ。

夕方、福岡の妹から動画のメールがきた。今回の3年ぶりの里帰りに「よくばり七輪」を一個、お土産にした。
近くに住む三男夫婦と孫のみっちゃんと5人で、庭先でバーベキューをしている映像だ。
ぼくは、珈琲の焙煎にしか使わないけど、「肉」を焼く時に、この七輪は、よくばりになるようだ。
こんどいく時は、奮発して「佐賀牛」を土産にし、みんなでバーベキューをするか?

明日の朝(8-10)は「能登珪藻土竈(かまど)で卵かけごはん」。
温故知新、おばあちゃんの知恵袋・・・・生活をひとつ前の時代にもどしてやると、「ゆたか」にたどり着く。感謝。