新茶・うめぼし・昔のおんな

沖縄にいくと、しばらく誰かれとなく沖縄の話をするようになる。これを「沖縄病」という。
能登にいくと、同じような現象の原因不明な感染症がある。「能登病」とはいわないけど、沖縄病
になんとなく似ている。
今回、能登に3日いて、それから大阪にいき、フェリーで門司港までいった。その後も、熊本の
天草からフェリーで口之津まで渡り、帰りも同じコースで、天草やら玉名などに寄り道して帰ってきた。
昨日は、ひがな一日、ガラガラヘビよろしく炭火焙煎をし、近くのカフェを二軒梯子して、「九州の話」
をしてきた。「九州病」に羅病したとばいね?

今日は東京は朝から曇り空。気温もあまりあがらないようだけど、少し深めに焙煎し、水出し珈琲をしかけ、
元気にばんばん蕎麦を打った。アイス珈琲の美味しい季節がやってきた。
気温があがると、そばも「あったかい蕎麦」(カレー・鳥そば・能登牛すじ蕎麦)より、ざるそばや梅おろしそば
を所望する人が増えてくる。だから「かえし」をつくる作業が忙しくなる。

梅といえば、来月は「梅仕事」。自分で源流からやりたい人は、能登へきてもらって、梅を摘む、からやる。
そうすれば、食べ物でいう「一物一体」みたいに、「理(ことわり」が体にしみる。料理も、いろいろな「料」(食材)の
「理」(こちわり)のことをいう。もっといえば、剪定をやったり、まわりの雑草といわれる植物たちを、風通しのさまたげに
ならぬよう、風道をつくってあげたりするお世話をすると、植物たちと話ができるようになってくる。
6月は、「田植え」もする。今年ワークマン女子の「田植え用長靴」を買って、また原稿用紙に一文字一文字をいれるように、
稲を植えたいと思う。3年前まで、九州の実家の「松の手入れ」も6月にやっていた。
雨が多く、地味な月だけど、よくよく考えると滋味につながる大事な季節。

今日くらい、ひょっとしたら、福岡から新茶が届く。昨日の「天声人語」にあったけど、日本人が茶を飲む量が、以前の3割以下
になっているらしい。「おいおい」と思うけど、まわりを見ても、そげなふうになってきた。
九州の御茶を急須にいれて飲むとうまかばい・・・とおらぼーごたる。

昨日は、陶芸家の久保さんから新作の珈琲カップが届いた。高台がついていて、横から見ると、抹茶盌を眺めるような風合いになる。
ひとつをリュックに入れ、留守中お世話になる文庫ちゃんのところへ、長崎土産といっしょにもっていった。
九州の話を機関銃トークしていたら、カップをあげるのを忘れた。最近物忘れなる老人力が加速している。
予防をかねて、若い美人店主・たねちゃんがいるカフェ「オフ珈琲」にいって、新作のカップをあげ、四方山話をしてきた。
久保さんのこんどのカップは、深煎りの珈琲をハンドドリップすると、真価を発揮するようだ。
たねちゃん、から連想。島原に「タネト」という東京から移住したご夫婦がやっている直売所がある。まじめに食べ物や染色などを
やっている人たちの「もの」が生き生きと並んでいる。ぼくがときどき蕎麦会をやる時、かけつけてくれる農業家の野菜をいっぱい買って帰った。
「くちのつ巷珈琲焙煎所(&美容院ビーナス)」「タネト」「彩雲」・・・島原の三種の神器みたいなお店。

ひさしぶりに、シルバー川柳を二題ほど

・手をつなぎ 昔はデート いま介護
・忘れもの ブツブツとなえて 取りにいく