能登の道の駅とかスーパーにいくと、ときどき面白いフリーペーパーが並んでいる。
「Fのさかな」という。
月に10日ほど能登で暮らす、という「二股くらし」を始めて4年になる。
ときどき、この雑誌を見かけると、「やった!」という気分になる。
先日、近くの道の駅で見つけ、「真蛸!タコは、三つの心臓と九つの脳を持つ」という特集を読んだ。
「YouTube」を師匠ときめ、何度も見て、「タコヤンという疑似餌でタコを釣る方法」を学んだ。
最初の6か月は、天気のいい日に散歩しながら、先輩の「タコすかし」という能登の伝統的な漁法を
しているのを遠くから見ていた。曇っている日はここ、ピーカンの時はあそこ、寒い日はこのへん・・・
小学校のころから、北九州の芦屋海岸でキス釣りやカレー釣りをしていた自称「釣りバカちゃ」なので、
なんとなくイメージがつかめ、今はふつかに一尾のペースでタコが釣れるようになった。
タコは頭に鉢巻きまいたイメージで、口みたいなんが目の下についているけど、それは口じゃない。
「漏斗」(ろうと)といって、敵がきたら墨をはいたり、海水をふいたりするとこ。
だから、知らない人は、足をもったりするけど、8本の足の真ん中が口で、そこには、するどい歯があり、
へたすると、大けがをするので要注意。吸盤に吸い付かれたれても、そこが真っ赤になるほどだ。
そんなわけで、タコが釣れると、急所の「目と目の間」に、日本橋の木屋で買った「釣り用の出刃」を
さし、〆る。その時も大きなタコは、包丁の柄から手まで手をのばして、まとわりついてくる。
あたかも北斎の春画のタコみたいだ。おすは、赤チン(赤いチンチン)がついている。
というのは、まっかなウソ。ときどき、足一本が「後からはえたんやろか?」というくらい短い
のがいる。その足の先には吸盤がついとらんと・・・それが♂。
メスとオスが交尾するとき、ゆうこときかん♀を、その足でむりくり、ハグするのだろうか?
「Fのさかな」には、そげなこと解説していないけど、そんなことを想像した。
これから、そんな恋の季節だ。
日本人は世界一のタコ喰い民族。東京あたりでは、「アフリカ産」がスーパーに並んでいる。
石油が高騰しているので、漁船もそれを運んでくる船や飛行機の経費も高騰しているので、輸入品(もちろん国産も)
高くなり、ちゃぶ台の上にのぼる機会がすくなるなる可能性大だ。
タコには、「タウリン」というのがたくさん含まれていて、動脈硬化とか心臓など血管系にいい。
別名「セックスミネラル」といわれる「亜鉛」も多くとれる。春画を見るまでもない。
さしみで食べたり、「タコガレ」(たこがれっと)や「たこやき」(きじを蕎麦粉)にしたり、
タコメシによし、柔らか煮、酢もの、おでんのネタ・・・・全天候型の食材。
8本の足が、それぞれ命令系統が別みたいに融通無碍に動くので、脳がプラス8、心臓がプラス1?
と思われているみたい。知れば知るほど、タコは地球外からおいでになった生き物だと思う。
昆虫もしかり、もちろんぼくたちも・・・もしかしたら、この星に生きとし生けるものは、みな地球の外から
きた生物ではないか、と、タコが釣れるたびに、思うとです。今日は土曜日。
能登では、土曜日は「船をださない。あらゆる漁をしない日」。環境のことを考えているのです。なにごとも「ほどほど」がよか。