火曜日の朝は、純喫茶モーニング?

「月曜の朝は卵かけごはん」が始まったのが、311のあった2011年の一月
からやった。10年過ぎた。
昨日はそのころからずっときてくれるともちゃんが、卵かけごはんを食べに
きてくれた。こないだは、いっしょに新橋のヘッケルンにいって、卵サンドとプリンを
食べた。そこの主人は、もうすぐ80になるけど、矍鑠としている。
今月は「有吉散歩」にでたらしい。昨年の3月に天真庵も同番組に紹介され、
半年くらいの間、うらぶれた十間橋通りにある、古色蒼然としたお店の前に行列ができた。
ときどき、卵サンドやフレンチトースト焼いて、珈琲をだしたくなる。
「火曜日の朝は純喫茶しませんか」とともちゃんが笑った。いいかもなんばん。

天真庵は、そばと珈琲がメイン。メニューの最初のページに珈琲(といっても
「ホボブラジル」しかないけど)がのっているけど、そばのほうが注文もメニュー
も幅をきかせていて、貞本さんが揮毫した「天真庵」の看板を、ほぼほぼ100%読めない
こともあり、街の人は「十間橋通りのそばやさん」みたいな風に呼んでいる。

先月、名刺をあだっちゃんに新しくデザインしてもろうて新調した。彼女も書道家といいくらい
書がうまい。うちの店に扁額がかかっていて「喫茶去」(きっさこ  まあ一杯お茶を召し上がれ、という意味の禅語)は
彼女が書いてくれたものだ。日本人の「おもてなし」の精神を凝縮した3文字を、飄々と揮毫してくれた気持ちがでていて
ときどき自画自賛するように、通りの向こう岸にいって眺めたりしている。

先々月くらいから、能登珪藻土七輪を使って炭火焙煎を始めた。きっかけは、そのあだっちゃんが、大きな紙袋に
能登の珪藻土七輪をいれて、もってきてくれた、のがきっかけ・・
足立家で永いこと愛用されてきたものだが、母親が旅立たれ、あまり使わなくなったので、「能登でつかってください」
とのことだった。さっそく能登の家にもっていき、ざざえとか、肉などを焼いた。
切り出しの珪藻土の七輪は、遠赤効果が半端でなく、魚や肉を焼いたときに、本領を発揮する。
冗談半分で、その七輪に炭火をいれ、手回し焙煎機で、ブラジルを焙煎してみた。炭は全国にその名が轟く
能登の「大野製炭所」のもの。信じられないくらい、中までカリッと焼けて、これまでとは
似て非なるものができあがった。ちょうど、知り合いが銀座でカフェを始めたというので、お祝いに
「世界一美味い炭火焙煎である」とメッセージを入れて、能登からユーパックでおくったら、気にいって
くれて、毎週ごとに、だんだん量も増えて注文がくる。

昨日も代々木でカフェを始めるという若いくんがきて、カウンターに座って「ホボブラジル」
を所望されて、静かに飲んでいた。帰り際に1k買っていかれた。
あまり忙しくなるのは、よくないばってん、また新規のお客さまになるかもなんばん・・?

そんなかんなで、毎日、ガラガラでうらぶれた十間橋にある古色蒼然たる建物の一階で、
ガラガラと手回し焙煎機をまわすところから、一日がはじまっている。
来週は年越しそばモードになって、老体に鞭打ち、貧乏というのし棒を振り回しながら、
ひがなそばを打つ一週間がくる。今のペースでいくと、来年末はお店の張り紙が
「年越しそば」から「年越し珈琲」になりそうな、そんな気もいたす。
「自分で年越しそばを打つ」というのは残りそう(笑)
その傍らで、ぜんべいやのじいちゃんみたいに、ちゃんちゃんこかなんか来て、UNA帽をかぶり、
ガラガラやって年末を迎えているかもね。      感謝。