炭火珈琲を七輪で焙煎し、七輪やさんで乾杯!

能登の天気予報は、ずーと☂。
錦糸町の釣具屋で、タコ釣り用の新しい糸(カラフルでタコもきっとびっくり)を
まいたリールも、玄関の下駄箱の上で、じっとお預け状態だ。
昨日は、イッチの二十歳の誕生日。家にある柿の木から、柿5個をもいで、持参。

いっちの住む売茶翁、は能登町の山の中にある一軒家。いつも、珠洲で塩を買ったり、
七輪やにいったり、あごや干しシイタケなどを調達しながら、ぐるっと能登半島を、半周
するようなコースをたどる。途中に、おいしそうなお店があったりすると、「ここうまそ」といって、
飛び込んで食べたりする。どこで食べても、魚や野菜が新鮮で、出汁も、アゴや塩などが逸品なので、
レベルが高く、当たりはずれが少ない。最近は「すずなり」という道の駅にいって、買い物をすませた後、
そこからすぐにあるうどんやの「のんち」というところで、うろんをすすってから七輪やにいく、
というのが多い。ぼくのあだなは「のんちん」。将来どこかで、喫茶店とかそばやをやる
ことがあったら「珈琲のんちん」とか「そば切りのんちん」という名前にしたい、と密かに思っている。

冬の能登路は、海岸線を車で走っていると、波をそのまま受けるのではないか?というくらい、
道路まであがってきそうな波しぶきの日がある。そんな日は、能登の冬の風物詩「波の花」を見る
ことができる。昨日は初雪ならぬ、初波の花の日になった。
波の花とは海中のプランクトンが荒波によって、岩場に打ち当たることで白い泡となり、花吹雪のようにふんわりと空高く舞い上がる現象のことだ。
またそのプランクトンが死んで悠久の時を経て、固まったものが珪藻土であり、その層を切り出した「切り出し七輪」はすごい。
幼きころは、新日鉄の工場地帯のヘドロだらけの海を見てきたので、能登の海、とりわけこの花が舞う冬の幻想的な海は、体の中から元気に
なっていくような力をいただく。車のラジオからはは「ジョージ セル」のベートーベンのバイオリン協奏曲が流れていた。
冬の能登にぴったりの曲だ。

七輪やにいくとシャッターがしまっていた。シャッターの隣の通用門をあけて、「こんにちわ」と声を
かけたら、工場長がでてきて「あ、どうも」と笑顔で迎えてくれた。
ここの七輪で焙煎した珈琲を、工場長やスタッフに飲んでもらいたいと思い、朝5回ほど輪禍ドリッパーにて
珈琲を淹れ、ポット2本に入れて、もってきた。勝手知らないよそんちの台所にいき、スタッフのマグカップを
だしてもらい、それに珈琲をいれ、「これが、ここの七輪で炭火焙煎した珈琲です」といって、みんなで飲んだ。
有無もいわさず、「いきなり珈琲」に、みなさん少し狼狽されていたが、大事な記念的な儀式なので、粛粛と執り行ったしだいであ~る。
台所のすみに、インスタント珈琲が置いてあった。来月には、久保さんの新しい珈琲ドリッパーとサーバーができるので、
「ここに一個クリスマスプレゼントをしよう」と、密かに思った。自分では「ノマド焙煎士」と称しているけど、あちらさんから見たら
「押しかけ珈琲じじぃ」だろね?

それから梅茶翁にいって、三輪福さんの仕事部屋で、温かい薪ストーブにあたりながら、残りの珈琲を、
久保さんの新作の「皮クジラ」の珈琲碗で飲みながら打ち合わせ。日曜日に稲刈りの予定を月曜にのばしたけど、
そこまで☂模様なので、火曜日か水曜日にする予定。
天地いっぱいの力をいただきながら、ぼくたちは生かされている。こちらの都合だけでは、うまくいかない
ことも多い。それはそれで、またけっこう。無理に決行することはないのであ~る。天恩感謝。

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