かぼすとすだち

近所に、シロクロのぶち犬を二匹飼っている人がいる。
名前をきいたら「かぼす」と「すだち」という。
「かぼすが大分産れで、すだちが徳島生まれですか?」と聞くと、
「そうゆう意味ではありません」とかえってきた。
ぼくの目から見たら、一卵性双生児みたいな二匹で区別が困難だけど、
家族にはちゃんと、「かぼす」と「すだち」の違いがわかるみたいだ。

織田流煎茶道をいっしょに習っていた大分生まれの女子がいた。
みんなが「かぼす大使」と呼んでいたので、携帯の電話登録は
「か」の欄に「かぼす大使」で登録してある。
仕事も「大分に移住する人のお手伝い」をしていて、ときどき「田舎暮らしの本」
なので、「自然豊かな、豊(とよ)の国・大分でくらしませんか?」みたいな広告にモデルよろしく
顔写真がでている。同県人の古手川祐子似で、まさに「とよのくに美人」だ。

昨日の夕方、カウンターで本を読みながら、クロキリの炭酸割を飲んでいたら、
チャリンコがとまり、玄関があいた。徳島出身でヨガを毎月習いにくるNさん。
「実家からすだちが、何箱もおくられてきたので、食べるの手伝って・・」
とのこと。般若くんからおくられてきた木曾のとうもろこしと「原始的ぶつぶつ交換」をした。
クロキリの炭酸割に、すだちを半分に切ってしぼった。飲む前にのどちんこあたりが、ぐびぐび
鳴るのを準備しているような状態になる。妙高高原で調達してきた茗荷の梅酢漬けを酒肴に、
3杯飲んだ。おもわず「すだち大使さん、ありがとう」とひとりで頭を垂れて、お礼をのべた。

今日は、これから「卵かけごはん」。
今週の土曜日の営業が終わったら「能登休み」になる。
だから来月は「卵かけごはん」が二週お休み。
9月は、辛味大根の種を植えたり、駐車場の裏のさつきの畑の端にある栗と柿の
収穫祭。そしてタコ釣りも、シーズンを迎える。それに、小田原から調達するゆずを
使って「柚子胡椒」の仕込みもある。里山にも、里海にも、春夏秋冬があり、それに
あわせて、ぼくたちの暮らしにも、自然の運行にそった「暮らしの春夏秋冬」がある。
来月は冬支度のため、珠洲の炭やにいって、炭を調達する季節がやってきた。