日本三銘菓って、知ってるよね?

お茶をやっているはもちろん、やっていない人でも、これを知らない
人は、日本人じゃない、そんなことをエッセーに書いた先輩がいた。
「長生殿(ちょうせいでん)」(石川)「 越乃雪(こしのゆき)」(新潟)「山川(やまかわ)」(島根)。
みんな日本海側、お茶の盛んなところばかりだ。「裏日本」なんて、俗な言い方はやめて、「麗(うら)日本」に
したほうがいい?

福井に「五月ヶ瀬(さつきせ)」という和菓子屋さんがある。煎餅にピーナツが入っている普通の煎餅だけど、
永く北陸の人に愛されているお菓子で、石川や新潟の「お土産や」なんかでもよく見かける。
能登の畑には、五月の木がひとつあって、毎年春には野良仕事の休憩に目を楽しませてくれる。
その畑の隣に小さな畑があって、昨年まで85歳になるばあちゃんが、野菜を育てておられた。
今は海辺の家でじいちゃんと仲よく暮らしている。ときどきタコを釣っていると、「釣れた?」声をかけられる。
先日、ひさしぶりにあったら、「これ食べて。私のふるさとのお菓子で大好物なの」といって、「五月ヶ瀬」を
頂戴した。
よく「あなたの畑の五月(サツキ)には慰められています」といっておられた。

昨日も梅仕事、蕎麦打ち、と通常営業が重なって、てんやわんやな一日やった。
そばが前日に続いて、二時に売り切れた。
週に二度はそばを手繰りにこられる女性も、梅そろしそばセット+チーズケーキを所望され、仕上げ
に「玉露をひさしぶりに飲みたいわ」というので、星野村の玉露の新茶を、蓋碗(がいわん)つまり蓋(ふた)つきの
茶碗に淹れて出した。このかたも福井出身で、ときどき田舎の兄からおくられてくる野菜や果物を使って料理をし、
同じマンションに住む独居老人の友達などにふるまっておられ、ときどきご相伴にあずかることがある。
「五月ヶ瀬好きですか?」と聞いたら、「私は好きではないけど、いっぱいおくられてくるので、こんどもってくるわね」
と笑った。季節は過ぎたけど、なんだか五月晴れの気分。

「花のある人」というのは、確かにいるもんですな。
「人に元気をあげられる人は、みな、花のある人」で、そんな人が優美に広がっているように思う。
そんな人たちを見るにつけ「まだまだこの国は大丈夫」やと思う。

これから「卵かけごはん」
今日も梅仕事にいろいろな縁ある人たちがやってくる。感謝。

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