漢字で書くと、「豊葦原瑞穂国」 日本はそもそも、そんな風に呼ばれた。
清らかな水が流れ、葦がしげり、みなで協力しながら、米や穀物をつくる。
毎年、梅仕事をする梅茶翁は、能登町の瑞穂(みずほ)という地名のところにある。
すぐ近くに、マルガジェラートという有名なジャラートやさんもある。山紫水明どころ
のような土地だけど、「ゆたか」を感じる場所。まわりに空き家もいっぱいあるよ。
そこの「能登塩ジェラート」が大好きで、それを食べている時ふと、「能登ジェラトン」(隕石粉が入った器)
が、ちゃねって、陶芸家の久保さんに、「うめ星」を皮切りに、勾玉、煎茶の宝瓶、茶碗、酒器、珈琲カップ、ドリッパーまで
いろいろつくってもらった。「能登ジェラート・ストーン」の略。ブリジストンみたいだけど・・
ちんこい「うめ星」を入れた「まろさま」も評判になって、注文がポツポツたまってきた。
三輪福さんの手仕事の集大成、みたいな商品なので、生産が間に合わず、しかも6月は田圃、梅仕事、それに彼女の
アートイベントも始まったりして、「すいません。しばらく待ってて」状態。
「これが切り札です」というワクチンみたいに、切羽詰まった感がないので、しばらくお待ちください、
人類がコロナに買った証の後あたりに、ぽちぽち嫁いでいければいいと思っておりまする。
今回は梅仕事の前に、梅林の横の田圃の準備を4人で協力しながたやった。虫やへびや鳥たち・・田圃は生物の楽園である。
何年放置されたかわからないけど、一反強の田圃が棚田のように、3段くらいある。
昨年は、一部を田圃にして、田植えをしたけど、イノシシさんがみんな食べてしまった。
今年は一反強を田圃にする予定。地名からいっても、湧き水のうまさからいっても、おいしいお米がとれるところだ。
パラダイス酵母の入ったリンゴジュースで休憩している時、懐かしい羽音が聞こえてきた。
この春、梅林に設置された蜂の巣箱に、日本ミツバチが巣作りをはじめ、二つの箱に蜂が蜜を運んでいる音だ。
幼きころ、幼稚園を中退して、宮崎の美々津(みみつ)で養蜂をやっていたおじきの家にしばらく居候しながら、
遊んだころを思い出した。
先日北陸も梅雨入りして、昨日は一日雨がふった。梅雨という「ことだま」のとおり、この時期の雨のたびに、
梅は大きくなる。明日から、「梅仕事」が始まる。
お米をつくり(これはまだ)、梅干しや梅味噌をつくり、味噌をつくり、野菜を少し育て、二日に一尾タコを釣り・・
まで、なんとかきて、自給自足に近い生活が見えてきた。
昨日は、しんごちゃんからアジを20尾くらいもらったので、その前日にもらったサバ、イワシなどを含め、
40尾くらいの魚を捌いて、梅酢を吹きかけ、倉庫の中で一夜干しにした。帰りの車は梅でいっぱいになるから、
どうやって魚さんを東京へもってかえろうか、悩んでいる。これもまた日々是好日。
田舎暮らしは、「ゆたかさ」
に満ちている。能登くらし、6日目。使ったお金が、田んぼ仕事の後に入った「じんのびの湯」の500円、と
風呂からあがった後に飲んだポカリスエット160円。総額660円也。財布がどこにあるかもわからない、キャッシュレスな能登くらし。
年金が少ないと嘆いている人、アルバイトや仕事がない、家賃が高い、税金が高い、エンゲル係数が高い・・・
「お金」が生活の中心になって悩んでいる人は、ちょっとコペルニクスになった気持ちで、田舎暮らしにシフトするのもひとつの道かもなんばん。
明日は夏至。今を生きる人たちにとって、大きな分水嶺になりそうな日やね。天恩感謝。