日本はそもそも、そんな風に呼ばれた。「とよあしはらみずほのくに」
清らかな水が流れ、葦がしげり、みなで協力しながら、米や穀物をつくる。
今朝の新聞に、「お米があまって、値段が下がっている」という記事。
コロナ禍で、巣ごもりが日常茶飯になって、お茶やお米の需要が増えているのでは、と
思いきや、反対らしい。重い気がしてきた。それぞれのポリシーや志向は勝手だけど、
なんとなく、危うい未来を感じる。
来月は、能登で梅仕事。梅林がある梅茶翁は、「瑞穂」という地名がついている。
梅林のとなりに、水田があり、昨年はそこに田植えをしたけど、イノシシさんが
「さきに食うバイ」といって、秋の実りは先住民さんの胃袋に入り、今年また再挑戦。
今、能登の水田には、清い水がはられ、田植えしたばかりの若い稲が、明鏡止水の上を
踊るように凛然たる命がゆらぎはじめた。
里山の緑も芽吹きも美しく、ところどころに、その木々にストールをまくような淡い色の藤の花が
咲き乱れている。海では珪藻というプランクトンが発生し、海底にはさざえやあわびが育ち、
ワカメや黒藻が光合成を受け大きくなり、その
まわりにメバルやいわし、あじ、タコが元気に育っている。囲まれている海はみな、本来はそうやった。
梅林の近くに、みつばちの巣箱を置いた。昨年は、「空き家」だったけど「空き家情報」を検索した
日本ミツバチが住むようになった。もちろん、一匹ではない。何千匹のシャアハウスになっている。
「日本ミツバチ」も絶滅危惧種になっている。ツバメが毎年梅茶翁の倉庫に巣をつくる。
東京では、まったくツバメを見ることがなくなったね。すずめやツバメも、絶滅した飛ぶ恐竜の末裔だ。
昨日は一日雨だったので、「理不尽な進化」(吉川 浩満 壇蜜やない)を読んだ。
この地球という星が生まれて、あまたの生物が生まれ、絶滅していった。
その絶滅率は、99・9%。今生きている種は、なんと1000分の一。
よくいわれる経済用語の「センミツ」より低い確率である。
人間はサルから進化して、成長を続け、木から降り、狩猟や農耕を学び、
いろんな道具を生み出し、原発や原爆までつくり、環境を汚染し、自分たちの
存亡さへ危ぶまれるところにある。
進化してかろうじて、1000分の一に残っているように思えるばってん、ほんとうは、
もうすぐ絶滅のゴールに近づきつつある。そんなことか、理路整然と書かれていて、
たいへん勉強になった。少し骨太の本やけど、読む価値あるわ。
「安全に制御されている」と世界に公言した原発の汚染水は、海に垂れ流され続ける中で
、各地の原発が再稼働され、緊急事態宣言の中で「オリンピック」を開催しようとし、
ミツバチもツバメも、入居拒否をしている空き家よりひどい都市の家に住み、外出も
酒もままならず、じっと巣ごもりをしている「今」は、まさに、「おわりのはじまり」
みたいな状態かもなんばん。
テレビや新聞の記事、井戸端会議の話題も「ワクチン」一色。
問題はもっと、根本的なところにあるように思う・・・・今日このごろ。感謝。