能登から世界へ

月曜日の夕方に木工の般若くんが、トレードマークのタオルのかぶりものして
やってきた。カウンターにある8つの椅子の「とう」の張り替え。
湯河原の名旅館の「石葉」の朝ごはん食べる部屋にも、般若くんがつくった
椅子が置いてあり、朝ごはんを食べていると、サルが庭に遊びにきたり、自然と三密に
なれる素敵な旅館。そこのスタッフが、原田先生の花を習いにきていたので、一度正月に
泊まって、竹林から竹を切ってきて、「竹の生け方」を原田先生に教わったことを思い出した。

般若くんの師匠が「どんなに忙しくなっても、朝いっぱいの珈琲を楽しむ生活をしてください」
と卒業する時にはなむけの言葉としてくれたらしい。なかなかいい先生だ。天真庵のイスは土台が
ウォルナットで作ってある。その時の端材で、水出し珈琲の台と、コーノ珈琲の取っ手を
つくってもらった。天真庵のショールームの中に、そのコーノ珈琲のガラスポットと、久保さん
の輪花(りんか)ドリッパーを飾ってある。

般若くんのアトリエは金沢にあり、木材置き場は、能登の千里浜海岸の近くの幼稚園の跡地にある。
将来はそこで「子供と親のイドコロ」みたいなカフェでもやろうか、などといっている。
能登の天真庵からも、車で一時間内。
能登の天真庵も「オフグリッドで、ひとりと自然を楽しむカフェ」を企画中。
電気もガスも水道もひかないので、倉庫をかたずけ、一人用のテーブルと椅子を般若くんに
つくってもらったら、できがり。今回、焙煎機、久保さんの新作の珈琲カップやミルクピッチャーなどを
運んできたので、もう9割がた完成した。今週末も、そんな「夢の計画」を語りに、般若家族がやってくる予定だ。

今朝、釣りと能登の里山を徘徊散歩をしている時、天真庵にいる般若くんに電話をした。冷たい珈琲は
「冷蔵庫に入っているけど、暖かい珈琲を飲む説明をしていなかった。
豆を石臼でひき、銅のミルクパン(これの取っ手も般若くん)をガスレンジにのせ、
縄文ドリポットに、コーノの円錐形のペーパーをのせ、挽いた豆を入れ、あとは、
とぐろをまくように、そうろうとお湯を注ぎ、珈琲ドームができたら1分くらい待って、
二杯目のお湯を次ぎ、つごう三回の注ぎで完成。」

そんな話をして、「これからは、この朝の珈琲のすばらしさが、世界中に優美に能登からひろがっていくイメージで
淹れてください」というと、電話の向こうで笑っていた。
ぼくの中ではニューヨークやパリのカフェでも、そんなソフト(日本のお茶のような世界)とハード(珈琲まわりの道具たち)が一体になったイメージができあがっているのだが・・