昨日は、ふたりの「そばもん」が蕎麦を打ちにきた。
生まれて二回目のそば、きしめんからソーメンまで混じったようなんを、
「お嫁にください」と挨拶にいく家にもっていって、猛反対されていた先方の
両親をくどいたお弟子様がいる。しばらく蕎麦打ちを休み、実業家して活躍しておられた
けど、今年は鼻息荒く毎月蕎麦打ちにきている。
昨日のくんは、お姉さまが引っ越しをされるので、自分のそばを「引っ越しそば」にして
新居の厨房で茹でて振る舞おう、という企画のそばを打った。自分で打ったそばは、形や長さは
問題外で、世界で一番うまいそばに違いないだろうが、人に食べてもらって、喜んでもらうと、
豚が木に登るごた~うれしくなるもんだ。「ごちそうさまがききたくて」の気持ちで、気持ちよい。
なかなかいいそばを打った。
ふたり目のくんは、昨年末に、空き家になったおばあちゃんの家に、押上から引っ越した新婚のおっとくん。
12月29日に「自分で年越しそばを打つ」に参加し、蕎麦打ち初体験。2月には味噌を仕込み、昨年仕込んだ
ものが成功して、5月には家族がひとり増える。おばあちゃんの家には、小さな畑があって、野菜も育て、子育て
をし、ときどき晴れの日にはソバ、という晴耕雨読の現代版みたいな田舎暮らしをはじめたふたり。
水回しという、そば粉と水をまとめていく最初の作業が、30分以上かかり、汗をかいていたが、
身重の新婦がさっとタオルをもって、ぬぐう所作がういういしい。みな新婚のころは、そんな感じ
なのに・・・・春夏秋冬をかさねた人生の秋のころ、「濡れ落ち葉」になったり・・
今日の東京は朝から曇り空。昼から雨らしい。
「晴好雨奇」
この処 これ道場
道窮りなし
出逢いは 人生の宝
雨も奇なり 晴れも好し
蘇東坡(そとうば)の有名な詩。中華料理のトンポーロは東坡肉と書く。
政治的に隠居させられた時、彼は風流に花鳥風月を詩にし、トンポーロを発明した。
それが今でも中華料理で残り、長崎では卓袱(しっぽく)料理になり、天真庵では「とんさま」になった。
天気も「巣ごもり」も、こころひとつのおきどころ。感謝。
明日の朝は「卵かけごはん」