ぶらり千葉

天真庵の蕎麦粉は、酒々井(しすい)の「手打ちそば みなもと」にお願いしている。
お店の前には、そば畑があって、秋には、白いそばの花が一面に咲き、「雪花山房」のごとしだ。

そのお店との出会いは、不思議だった。15年くらい前のある日、いつものように目白にあった
「ヨネクラボクシングジム」で汗を流し、その道では知らない人がいない骨董屋の「S」にぶらりと入った。
主人のSさんがなにげに「最近、近くに女性が自宅の一階で蕎麦を打つ店ができた」とのこと。
「香りがよく、お店をでてここにもどってくるまで、蕎麦の香りが残って幸せな気分がする」とのこと。
目白といえば、うちの師匠の高橋さんのお店があったところだし、そのお弟子さまのお店もあり、
うまい蕎麦屋が何件もある。また、食べ物にも造詣の深いSさんが太鼓判のお店・・・

骨董も見ずに、そのお店に向かって、蕎麦を手繰った。確かにうまい。しばらく、ボクシングジムの後
に、そのお店に通いつめ、そのそばにはまった。「まい蕎麦猪口」よろしく、久保さんの黄瀬戸の蕎麦猪口
までおかせてもろうた。
ある時、お店においてある雑誌を見ていると、「手打ちそば みなもと」
の記事があった。そばの神様にほれ込んだ、か、惚れこまれたような記事に「ふ~ん」とかうなずいていたら、女将が
「このお店から蕎麦粉をわけてもらっています」といい、電話番号まで教えてくれた。次の日、酒々井まで車を走らせた。
それからすぐに、押上のうらぶれた十間橋通りに、ボスの自動販売機で、破れたガラス窓、壊れたドアなどを隠して
ある古色蒼然たる建物と遭遇し、そこに「天真庵」を結ぶことになった。そこからこっちの14年、そこの蕎麦粉を使っている。

昨日はひさしぶりの休み。1月25日から3月7日まで、毎日味噌つくりがあって、休みがとれないので、
一日だけ、「何もしない日」をつくって、昨日は千葉の芝山の道の駅にいき、野菜を調達した後、大和の湯で
汗を流し、「みなもと」で蕎麦を手繰ってきた。この14年の間に、「つきいち」でまわる「ゴールデン千葉散歩」。
千葉は、知事だけ目立っていて、あまりコレという目立ったものはないけど、多古のお米や大和芋は最高に美味い。
その大和芋にも負けないくらい、「大和の湯」から見える里山の景色は、風情がある。感謝。

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