耶馬渓ぱあと3

耶馬渓に小さな山小屋のような珈琲屋がある。
「豆岳珈琲」。ご主人は、大岳さん。「大岳珈琲」とつけなかったのは、
控えめな彼の性格と、一粒一粒とこつこつ毎日大事に丁寧にふれあおう、という
「粒々皆辛苦」の精神だ。「暮らしの真ん中に珈琲を・・」そんなメッセージが綴られた名刺を
見て感動したことを、昨日のことのように覚えている。
ナビも携帯も、繋がりにくいあなろぐ地帯だけど、九州に帰る時、こころの地図に必ず旗がたっている。
九州といっても、冬は雪で閉ざされてしまうとこなので、2月から3月はじめまでは、冬休み。

大岳さんは東京からUターンで大分の耶馬渓にもどり、東京出身の奥様と素敵な珈琲やを営み、
そこを訪ねる旅人たちは、一杯の珈琲で都会の塵を洗い、都会にもどったり、「この土地に住もう」
と移住をきめたりする。このお店が「つながり」になって、移住をきめた人は、あまたおられる。
天真庵の味噌作りの「真ん中」に鎮座する大豆をつくってくれている戸倉くん夫妻も、豆岳珈琲を
飲みながら、風光明媚な耶馬渓の風に誘われ、東京から移住した。

そして、農業をやりまがら、昔とった杵柄で、「雲与橋」(うんよばし)という小雑誌のお手伝いをしておられる。

表紙の裏に刻まれたメッセージをそのまま紹介する。

雲与橋は、大分県中津市耶馬渓町の下郷という地域にある橋の名前です。
4つの地区をつないでいる大切な橋で、この橋と同じように、人と場所をつなぐような役割を担えたらと、
冊子を「雲与橋」と名付けました。作っているのは、地元住民と移住してきた人たちとで構成される
地域団体「下郷村」の面々です。(略)「下郷村」は合併でなくなってしまった地域の名称ですが、
当時のちいさな暮らしを思って名前を借りました。

大岳を豆岳にしたり、ちいさな暮らしや、つながりを大切にする人たちが、こころ豊かに暮らしている。感謝。

これから、そんなつながりで醸した味噌汁と卵かけごはん。味噌汁には、能登のかじめが入っている。潮騒と塩の香り。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です