ぼくのPCを置いてある机の上に、久保さんの黄瀬戸の筒向(つつむこう)が置いてあって、
えんぴつ立にみたて、筆記具があまた入っている。そんな中に、ちびれたトンボのえんぴつが一本。
なぜだか、今朝、それが「おはよう」との挨拶をしたよううな・・・
ネットで「おひとりさま」で検索すると、アマゾンに、岩下久美子さんの「おひとりさま」
という本がでている。
ぼくが依然やっていた「無門塾」という勉強会で、3度くらい講師としてお招きした。
2001年の秋にプーケットの海で突然亡くなった。
彼女の書斎の片づけを手伝って、記念に、机の上に横たわったいた、その「えんぴつ」を
一本いただいてきた。エンピツの頭に歯がたがついてある。原稿用紙のマスを身を削るように
推敲しながら埋めていく作家の苦悩と、生前の美人の顔立ちのコントラストが妙で、たいせつに
「お守り」のようにとってある。
アマゾンにのっている岩下久美子さんの経歴をそのまま紹介させてもらう。
岩下/久美子
青山学院大学法学部卒業。99年2月から、女性が一人で快適に外食をしたり、旅をすることを応援する「おひとりさま向上委員会」を主宰。現代女性の価値観の変化や新しい男女関係のあり方を、独自の視点から取材・考察している。食文化にも造詣が深い。また、日本におけるストーカー研究の第一人者としても知られる。2000年3月より、警視庁「ストーカー問題対策研究会」の委員を務め、東京都のストーカー行為防止条例の策定に携わる。現代社会に特有の“コミュニケーション不全”の人間関係をテーマに執筆を続けると同時に、女性が魅力的に生きるためのスキルを追及。時代感覚に則した女性論を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
もうかれこれ20年になる。
最近もマスコミ関係で阿部周りの男のレイプの裁判があったが、20年前に「人はなぜストーカーになるのか」という彼女の体験を
もとに赤裸々に綴られたエッセーは「ストーカ法」ができる礎(いしずえ)になった。
突然天国に召され、「元祖おひとりさまはわたし」といった顔した厚顔無恥なる女性ライターが、あまた現れたのには閉口したが、
「おひとりさま」を提唱したのは、間違いなく岩下自身である。熊本出身であったので、九州県人会でもよく飲んだ。夫くんは
時々天真庵にきてそばを手繰っていかれる。
昨日は、8ケ月ぶりのシャンソンライブ。英里ちゃんが3月7日にライブをやってからこっち、ライブというライブはみな中止、
夜の寺子屋も解散した。また感染者が急増しているので、来年はどうなるのか不明ではあるが、昨日はとても素敵な夜を、
少ない仲間たちで共有した。
打ち上げ反省会を竹葉の燗酒を飲みながら、英里ちゃんが「この酒器、わたしに譲ってくださらない」といって、
どこかの骨董屋で見つけた「燗つけ徳利器?」をお持ち帰りになられた。夜中にメールがきた。
「おひとりさまの酒器サイコーです」とのこと。
結婚してようが独身であろうが、「おひとりさまタイム」というは、とても大事。そんな時、
チン、ではなく、ゆっくり徳利(燗鍋もいい)に酒を入れ、できたら火鉢の上の鉄瓶、なければガスコンロに雪平鍋で湯を沸かし、温泉につかる気分で、人肌のぬる燗を飲みながら「哲」する。そんな「ゆとり」が欲しいものです。感謝。