能登の秘湯

昨日は、能登島の「みず」で、カキフライ定食を食べた。
焼き魚定食が700円で、カキフライ定食が1000円。
「定食」を注文すると、ごはん、と味噌汁と、小皿3皿
を選んでセルフサービスで席につく。おなかがすいていると、その三皿で
ごはん一杯が空になる。だいたいいつもは、ブリのカマ焼き、とか、さばの塩焼き(日本海のさばは美味い)
を食べる。ブリはもう少し寒くなったほうが美味いので、昨日はカキフライ定食にした。カキのフライが10個
くらい(数えてない)ついてくる。同じスタイルで、毎日「サービス定食」があり、昨日は「さば味噌煮」になって
いて、500円。このお店のおばあちゃんが、千寿荘という民宿をやっている。そこの「水」は、全国に名前が知れ渡っている。
その「水」に感謝して、お店の名前が「水」。

いつもは、それから橋を渡り、加賀屋の大きなビルのような本館の横の「総湯」という共同風呂に入って、東京に向かう、
といういつもの道と違う道を選び、湯川温泉「龍王閣」にいって600円で、自噴源泉かけ流しの能登の秘湯を満喫した。
泉湯46度で、「加温・加水なし、もちろん塩素殺菌もなし。」(この条件を満たす温泉が、日本にはほとんど残っていない)
四捨五入したら、齢80になるご夫婦が、切り盛りして48年。頭が下がる。
「いいお湯でした」と頭を下げて、一階の部屋の名前がかいた看板を見ると、「無限 愛の部屋」・・そんな部屋名だった。
「いい名前ですね」というと、女将が「この温泉をつくる時に尽力してくれた母が、開店を目の前にして他界したので、
父がその時の思いをこめて、そうつけました」とこと。思わず合掌。

表には「ありがとうございます」という大きな看板。駐車場には「一夜で泊が二夜となる 天下の名湯」という看板。
車に乗ると、大学時代の友人からショートメールがきていて、「存命かどうかブログをのぞくと、まだ更新しているので、
生きていることを確認。また飲もう」と。大学時代に「英米文学研究会」でいっしょにDHロレンス(ドエッチ・ロレンス)を勉強
したIからだ。今は大きな商社の取り締まられ役。
思えば、一回生の夏の合宿が能登だった。卒業(ぼくは中退)前に、ふたりで金沢・能登をまわろうと計画し、
一泊目の金沢の香林坊で飲みすぎて、金がなくなり、次の日に京都にもどったことを思い出した。
「二夜の予定が、酒で一夜となる」。あのころは、まだこういった詫びた世界を逍遥していなかった。おわり。