能登くらし4日目

先日、能登町の「梅茶翁」にいってきた。
3年かけてつくった自作の「ペチカ」ができあがり、火入れ式をやり、
毎日試運転中。19歳のミニチュアダックスの「いっち」(市松)も、先月交通事故
にあったけど、奇跡的な回復。きっと30歳まで生きられる。
昨年は、薪ストーブが入り、今年はペチカ。来月は梅の剪定。
田舎くらしは、できるだけ、できることは自分でする。畑仕事、家の修理や片づけ、山菜とりや
魚や海藻も自分でゲット・・・縄文時代に近づくほど、自然に寄り添い、神に畏敬の気持ちが自噴し、
「ゆたかさ」や「ありがたさ」が、教えられなくても、強要されなくてもわかる。それが本来の教養?

梅茶翁にいく時は、珠洲にいって、まわり道をしていく、のがならわしになった。
まず「塩屋」さんに立ち寄る。先月「にがり」をいただいたので、おかえしに「珈琲豆」をもっていった。
じいちゃんは、たばこと珈琲とジャズが大好きなモボ(モダンボーイ)。
にっこりご機嫌で「モシオ、をつくったんで、そばにかけて試食して・・」といって、少し茶色になった藻塩を
くれた。能登では、砂浜に塩をまいて、それを鉄の釜でなんども煮詰めて塩をつくる。「揚げ浜式」
という。昔朝ドラの「まれ」で、紹介された古式の塩田法。その時代の前に、海藻(ホンダワラ等)を乾燥させ、その上に
海水をまき、それを煮詰めて塩をつったものが「藻塩」である。このじいちゃんと四方山話をしていると、
お互いが「機関銃トーク」になって、きりがない。いつも横で筆子さんが、足やら手やらでぼくの足をこずいたり
して、おいとまの間をつくるのに、苦労する。

昨日は、先月蒔いた辛味大根を間引き。まびきした大根は、赤ちゃんのチンチンより小さいけど、葉っぱと
いっしょに刻んで、朝の味噌汁に。味噌汁の出汁は、前日いただいたタコを煮た汁。この汁で、
いもやじゃがいもを炊いたんのが、能登の郷土料理。「たこいも」という。
「よばれ」という秋の行事には、かかせない風物詩の味だ。「能登はやさしさ土までも」
という言葉の神髄が、五臓六腑に染みわたる滋味でもある。

夜は、アオリイカのパスタをつくった。アンチョビがわりに、漁師にいただいた「こんか漬け」(糠で青魚をつけたもの。能登の伝統発酵食)
を小さく刻んで入れると、能登ワインのなくなるスピードが加速した。

今日は土曜日なので、この界隈の海は、釣りも舟も海にでるのは中止デー。小さな港町だが、地球の環境のことを
ちゃんと考えながら、「能登で生きる」をやっておられる。
昨日収穫した「さつまいも」で大学イモでも作ろうか、などと考えている。
井原西鶴もかく語りき、 「女の好むもの、芝居(しばい)浄瑠璃(じょうるり) 芋(いも)蛸(たこ)南瓜(なんきん)」。感謝。