ときどきは外を見る

寒山拾得の絵を書く、いやそれしか書かない南條さんが、
昔、栄螺(さざえ)の絵を書いて、「ときどきは外を見る」と揮毫した。
ちょっと禅的ではあるが、「自分を、ことの外におく」という言葉がある。
今のように「家の中にひきこもりがち」な生活の時、あまりテレビやメディアの
影響を受けていると、うつになってしまいそう。やはり「ときどきは外を見る」
が大事かもなんばん。客観的な目線を大事に、という教え。

火曜日の朝、梅とさざえを車に積んで東京にもどってきた。その日の梅林は雨が降り、
気温は18度。昼から晴れて、車の中の気温が24度くらいに上がった。エアコンより、
自然の風のほうが、体にも梅にもいい。高速道路の上だけど、後ろの窓をあけ、
信濃路、信州路を走って東京にもどってきた。水曜日、木曜日と、梅仕事。
梅だけをとりにきて自宅で、梅干しや梅シロップや梅味噌をつくる人、天真庵にて、
それをつくる人、教える人・・・

箱根山 かごにのる人 かつぐ人 そのまた草鞋(わらじ)をつくる人

よく選挙演説でつかわれるフレーズみたいな二日間やった。今日明日明後日も、そんな「梅日和」
な毎日がしばらく続く。

お店の前のプランターには、なすやトマトなど、夏野菜が植えてある。大葉やみょうが、万能ねぎなど
の「和製ハーブ」も生きている。しゃが、矢羽薄(やばねすすき)、つわぶき、木賊(とくさ)・・・など茶花にそえる草も
鉢植えしてある。能登にいる10日間は、近所の親切な方が、自発的に水をまいてくださる。
東京にもどってくると、お礼に「能登のまいもん(うまいもの)」をお裾分けしたりする。
今回は「さざえ」。同じ九州生まれで、左党の主人は「酒のあての最高でした」と笑顔で喜んでくれた。
お店の前に、有田焼の火鉢をふたつおいてある。そこに雨水がたまるように置いてある。
その水をときどき自発的にまいてくれるのが、押上文庫ちゃん。やはり「さざえ」をお礼にあげたら、
「今日は礒の香りで、一杯(いっぱい?)飲みます」と笑った。酒脱な「原始的ぶつぶつ交換」。

昨日は「おとこかっぽれ」の日だった。まだまだシンコロさんが、おさまっていないので、
今月まで中止にした。ライブも3月のシャンソンからやっていないので、4か月ぶりに11日に
「大石学ライブ」を10名限定でやることになった。
夜の寺子屋も、半分以上は7月も休校。
昨日は夕方すこし時間があったので、散髪にいき、近くの骨董屋を通ったら、そこのオヤジが
「オヤ、おかえりなさい。今あなたのウワサをしていたところ」と笑った。
「?」としていたら、中からおかまのMくんが顔をだし、「天真庵の主人は、あ~見えても、煎茶の先生を
しているのよ、って話をしていたら偶然きたんだもの、ビックリしたわ」といって、近くのアコレで「半額」のシールを
貼ったキンツバをひとつくれた。お礼にお店で「そば茶」を飲みながら、談論風発。これもまた「原始的ぶつぶつ交換」也。感謝。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です