なんとなく、梅雨が近づいてきた。そんな毎日。
今月はじめに、能登の梅茶翁の梅林の草刈りをやってきた。
20本以上もある梅林の草刈りを一日やるとブヨにかまれたりするけど、
梅の精霊たちと対話できて、体がフワフアと軽くなるような気がする。
読んで字のごとく、梅雨の雨ごとに、梅の実は大きくなる。
ちなみに、女性というものは、涙を流すたびにきれいになる。どちらも神秘的だ。
「あ、梅雨か・・・」傘がいったり、長靴はいたり、面倒に思って
る人も多いと思うばってん、植物にとっては、恵の雨でありまする。
昨年は東京から梅仕事を手伝いにきた梅林ガールズたちと、近くのコメリにいって
長靴を選んだ。農協にも、おしゃれな長靴がそろっている。ぼくは、畑用と海釣り用に
兼用で、色や形より、「用」におもきをおくばってん、女子はどこにいっても、なんてたってアイドルで
「かわいい」という基準があるみたいだ。田舎暮らしに「長靴」は大切な必需品。
女の子は長靴が大好き
♪赤い長靴 履いてた 女の子 いーじんさんにつーれられーて いーちゃった~
大きくなっても 雨あがりの陽気な日も
大地に立つときはいつも
お気に入りの長靴を履いている!
昨日の2時くらいに、笊を干していたら、傘さしてマスクをかけた女子が、「おひさしぶりで~す」
と声をかけてくれた。天真庵で「ねんど教室」を長いことやってくれたMさん。だんはんの仕事の関係で
何年か東京を離れていたけど、ばりばりの大阪弁は健在で、ふたりで「ほんまに」「ほんまに」・・
と近況を語りあう。彼女が「私も味噌やってみたい」という一声で、初年度3人くらいから始めた味噌教室
が、100人を超えるイベントになった。近くでカフェをやっているKさんも、やってきて、「うめぼし」
と「山菜料理」の話で盛り上がった。Kさんは毎春になると、こごみ、とか、わらび、とか山菜をもって
きてくれる。新潟に別荘をもっていて、デュアルライフの先輩のような存在。能登から近いので、来年は
いっしょに「山菜フェス」をやることになった。女子の天真爛漫な明るさに救われる日々。
入れ替わるように、池袋から女子二名が、そばを手繰りにこられた。ひとりは歌姫で、年二度ライブを
やってくれる。「どうしても連れてきたくって」というその女性は、年齢的にはぼくよりかなり(すこし)先輩
みたいだけど、スレンダーな美人で顔がピンク色して、矍鑠(かくしゃく)として日本酒を飲むし、酒に品を感じる。
2合あいたあたりで、自己紹介してくれた。「池袋で70年やっている居酒屋やっております」とのこと。
「え・・・・なんどかいって、肉豆腐で一杯をやりましたよ。オヤジさん元気ですか・・?」
残念ながら名物オヤジさんは、鬼籍に入られたとのことだが、彼女が看板娘として現役でやっているらしい。
酒飲みで、ぶくろ界隈が好きなのんべえで知らない人はいない名店だ。5時過ぎにはカウンターが満席になる。
そのお店の近くに「笹周」(ささしゅう)という日本酒のお店があった。池袋時代によく飲みにいった。
大関・横綱格ののんべえが「日本で名店をみっつあげると?」としう質問に、8割はいれるくらいの名店やった。
彼女も常連やった、という話で盛り上がった。
そのころの名店には、店名に「笹」を冠する店が多かった。
酒のみのことを「大寅」という。座敷遊びに♪とら と~ら おおとら・・というのもあるよ。
諸説あるけど、酒飲みが酒をすすめるとき、「ささ、どうぞ一杯」という。その笹と虎(だいたい虎の絵の構図に、竹(笹)がつきもの)
から、そのようになった、というのが、有力説?だ?
どこの街の飲み屋も、チャーン店ばかり幅をきかせておもしろくない。でも79歳(昨日本人がそういった)で、看板娘として
左党を相手に毎日がんばっておられる。大和撫子の鏡みたいな人や。
「ずっと、健康美人でいられる秘訣は・・・?」と聞くと、「きくち体操」だといって、鳳凰美田を飲み干された。感謝。