啐啄(そったく)の機 お互いに 共に

昨日は3組の「菌活」(味噌作り)だった。めずらしくみんな男子(正確には、一組は二十歳のカップル)

今年の「菌活」は、約100人(正確には96人)の参加。もう5年以上続けているベテランが7割以上を占める。
ママ友からママ友へ広がり、小学生くらいの子供さんと共同でつくる家族も増えてきた。
昨日の一組めは、お母さんがもうかれこれ6年くらい味噌作りをやっていて、「長女がやりたい」
というので、お母さんとは日程を違えて、やってきた。傍らにハニカミボーイを連れていて、「カレシです」と紹介。
お母さんは、カウンターで「ほぼぶらじる」を飲みながら、「来年までふたりが続いていたら、味噌を分けてあげます」と
笑った。悲喜こもごもの「味噌ものがたり」が、菌活と同時に進行している。

ふたりめは宝石のデザインをやっているこ。仲間の「NUSUMIGUI」くんや「OSAKENTARO」くんたちの仲間で、彼
らが毎年味噌をつくり、各種イベントで味噌を使った料理を共するのに刺激されて、能登の塩と大分の大豆・生麹を使って
つくった。できあがった4kの味噌をファッショブルな自転車に積むのがむずかしく、うちのチャリンコでもって帰り、またもどって
きて、「隕石会議」(うちの勾玉をどう加工するか・・・など?)の打ち合わせをする。「おっさ(OSAKENTARO)の
とこで飲んだシードルがやばいっすね」というので、シードルの「菌」を土産にもたせた。今日あたりからオリンピック(近くのスーパー)
のリンゴジュースの棚が空っぽになるのでは・・?

かたわらで、3人目の「S珈琲社長」が、「?????」という顔をしながら、今年の味噌をつくっている。
みんな不思議な縁や菌で「つながっている」。
終わった後で、「隕石ってなんですか?」と真顔で問う。「きみにはわからんかもしれないな~」といいながら、
カップふたつを用意し、「ほぼブラジル」を注ぐ。ひとつのカップに「うめ星」(隕石入り陶器玉)を入れる。
半信半疑だが、カップテスターの顔になって飲んで「!!!」という顔をした。「啐啄(そったく)同時」(悟りの瞬間)だ。
味噌作り代金4000円に、プラス7000円を支払って帰っていかれた。今日からパルコの中にもある「S珈琲」
が、世界に向けて「ひとあじ」違う珈琲を発信することになった。

「啐啄(そったく)」 天真庵の「珈琲塾」を「啐啄(そったく)焙煎塾」という。
鳥の子が卵の中でいざ生まれようとする瞬間に中からコツンと嘴でこずく。啐(そつ)という。
それを聞いた母鳥が外からそこをコツンとこずく。啄(たく)という。そのふたつが、いいタイミングでおこなわれ
た時、新しい命が誕生する。
禅林では、「啐啄の機」とか「啐啄同時」
とかいって、軸にしたり揮毫したりしてきた歴史がある。
星の王子の本のサインも「啐啄同時」とサインペンでかかれている。若いけど、頭から坊さんみたいなひとや。

昨日の朝日新聞に「量子コンピュータ」のことが詳しく書いてあった。一週間くらい前に書いたけど、とどの
つまりは、95%くらいは、目に見えない世界のこと。化学が進化したり、歳をかさねて学べば学ぶほど
「わからないこと」がより増えてくる。この目に見えない世界では、ふたつのコトやひと、に「相互作用」という物理言葉
でいわれる力が作用していることがあきらかになった。類とも、ママ友、遊び友達・・・その人のことを知ろうと思ったら、
まわりの仲間を観察すればよくわかる。天地自然の理だ。

真民さんもこんな詩を残した。さすがだ。

「共に」
花咲けば 共に眺めん
実熟せば 共に食べん
悲喜分ち 共に生きん              感謝合掌