満まめの会 こころ見つめる日。

今日は「満まめの会」 まーくんがやってきて二階で「気孔整体」をやってくれる。
4年くらい前、ぎりぎり五十肩(今なると六十肩)になった時に、「向島にすごい整体師がいる」
ということをお客さんに教えていただき、すぐにチャリンコにのって整体を受けた。その日は、体が軽くなって、チャリンコをそこに
忘れて、スキップしながら帰ってきた。長く蕎麦打ちをやっていると、猫背になりやすく、背中の筋肉がやたらに発達したりして、普通から遠ざかる。
彼の整体を受けていると、呼吸の仕方や歩き方、毎日そばを打つ前のストレッチの仕方などのアドバイスを受け、何とか五十肩を克服し、
元気な六十代を迎え、毎日朝から蕎麦を打ち、酒は飲むし、たまには養生訓よろしくハグをしたり、謳歌している今日このごろ。

まーくんは、生まれつき目がほとんど見えない。でも勉強家なので本も読むし、酒場もいくし、このブログも読んでいるらしい。
ときどき、目の調子が悪く、病院で「完全に見えなくなる」と言われたりすると、絶望して、酒びたりになったり、夜中に
電話がかかってきたりしていた。生まれつきまったく見えない人と、途中から見えなくなる人、後者は絶望の淵にたたされ、自暴自棄
で自死の道を選ぶ人も少なくないらしい。何度か酒気帯びで整体をするような日もあった。そんな日は終わった後に、立っていられないくらい
ぼくが真剣に怒ってさしあげた。そのたびに「しばらく休業」ということも何度かあったが、今でも月イチで、なんとか続いている。
ブログには書ききれないくらいデリケートな心理学みたいなものも学ばせてもろうた、ような気がする。

神谷美恵子さんという「すごい坊さん」みたいな人がおられた。お医者さんであり、心理学者であり、英文学や哲学書の翻訳をし、長島愛生園でらい病患者さんたちとふれあい実践と思索の日々。一人の女性として、また市井の生活者として、苦しむひとや悲しむひとの傍らによりそい「日常茶飯」のことを、書き続けた人だ。
木曜日、突然かっぽれが休みになり、時間があったので、彼女の代表作の「生きがいについて」を読み直した。
1966年に7年かけてできた本なんだけど、まったく古びていない。まだパソコンもスマホもない時代にこのような文を残した。
「令和のバイブル」になるかもなんばん。

「現代日本の社会、さらには現代文明と人間の生きがいの問題は今後ますます大きくのしかかってくるであろう。
現代文明の発達はオートメーションの普及、自然からの離反を促進することによって、人間が自然の中で自然に生きるよろこび、
自ら労して創造するよろこび、自己実現の可能性など、人間の生きがいの原泉であったものを奪い去る方向に向いている。
どうしたらこの巨大な流れの中で、人間らしい生き方を保ち、発見していくことができるのであろうか」

ひとごとではない、昔のことではない、「今ここ」に生きる人すべてが真剣に考えるテーマがいっぱいつまっている。感謝。