味噌作りも終盤。
昨日はお休みだったけど、陶芸家のあいこさんが「味噌作り」にこられた。
琺瑯(ほうろう)や甕(かめ)でやる人が多いけど、彼女は「樽」(たる)
を使ってしこむ。手入れは大変だけど、日本で昔から使われてきたものだ。
彼女が本業でつくる作品に樽と似た字やけど、蹲(うずくまる)という信楽の器が
ある。人がうずくまっている形から、そのように呼ばれ、京都の茶人たちに好んで
愛用されてきたものだ。
天真庵にもひとつ屋根裏あたりにうずくまっている。
来週能登につれていく予定。季節の花を投げ入れ、自分の春夏秋冬が尽きた時は、
骨をその中に、うずくませる、というのも自然によりそう風雅なものだ。
味噌作りも日曜日にひとりで終わり。帰りしなに奈良の「春鹿」をくれた。
樽の杯で乾杯。味噌の「寒仕込み」が終わり、いよいよ春だ。
そんな話をしていたら、秋田の「樽富かまた」さんから、秋田杉のお櫃(ひつ)が届いた。
秋田杉の樽や桶(おけ)は、古来より、醤油・味噌・酒・つけもんなど「醸す」用に愛用
されてきた。縄文人の時代から「醸す」というのが、この国で生きていく最大の課題だった。
このお櫃のおかげで、これからの「自分で鮨をにぎるかい」がますます楽しくなりそうだ。