昨日能登についた。いつものように、加賀屋の近くの「総湯」でひとっぷろ浴びて、
志賀町にくる。
東京から本を30冊くらいもってきて、書庫にいれる。もともと置いてあった書庫の片隅に、
古い本を見つけた。昭和33年の初版の「点と線」だ。ぼくが二歳の時だ。
舞台が博多のみっつくらい手前にある「香椎駅」。小さいころ「香椎花園」に遠足にいったことがある・・
さっそく、炭をおこし、鉄瓶をのせ、「竹葉」をぬる燗にしながら「点と線」を読みはじめる・・
かっぱえびせんではないけど、やめられない、とまらない、酒も美味くてグビグビのどを鳴らす。
酒肴は、月曜日の忘年会のあまり。「がめ煮」(筑前煮)、カラスミ、蕎麦の実おから・・・
この集落は海風が強くて、京都の鰻の寝床みたいに、家が狭い土地に風を避けるように何軒も立っていて、
人の家の前をお互いに通って生活するスタイル。隣の家は、留守の時にも、家の前の植木などに水をあげたり
してくれているので、いつも「ほぼぶらじる」を手土産にする。昨日もそうしたら、隣の畑にいって、
大根、きゃべつ、ブロッコリー、白菜をくれた。しかも寒い中、それを水道で洗って土を落としてくれた・・
「みんなでささえあって生きている」が当たり前の「くらし」に感動する日々。日本人のこころの原点がある。
今朝はいつものように、徒歩165歩の海に釣りにでかける。冬は海風が強い日が多く、今日は釣り
はあきらめ、「蛸釣り」に変更。カニの疑似餌を針にまいて、港の岸壁ぞいに落としでたこをさぐる。
地元の漁師さんたちが、外野席のひやかしのように声をかけてくれる。
ひとりは「船の免許とったら、船はなんぼでもあるから・・」とのこと。すぐにその気になる・・
来年あたり、船で沖にでるか・・
途中メールをする。指がかじかんでうまくいけないけど、「北の港町から」
この港町は松本清張の「ゼロの焦点」の映画のロケ地でもあった。「ヤセの断崖」もここから600m。
今朝は、「そばかす」(そばをうった時にはじっこを落とす切れ端)を水で溶かして、
「ガレット」。能登にきたら、初日はだいたいそれ。タコが釣れたら、「あこがれのタコガレ(たこのガレット)
にする予定だったけど、釣果なくチーズとのり(天真庵風)だ。
ほぼぶらじるを飲みながらブログを書いている。
これから、ふくべ鍛冶に「まきり」を受け取りにいく。明日はそれをポケットに忍ばせて、
タコ釣りに挑戦。一歩づつだけど、能登人になりつつある。感謝。