今日11月26日は「いい風呂」の日

今月の半ば、能登で「じんのびの湯」にいった。夕方になると、日本海に沈む夕陽を
観ながら露天風呂に入る。
その日も快晴で凪いだ日本海に静かに洛陽する景色をぼーっと見ながら湯につかっていると、
「おじゃまさま」といって、同じ湯舟の客人になった人の横顔を見ると、関西系の有名な落語家だった。
文房四宝のひとつ(和紙の重しにするアレ)と同じ「言霊」の落語家さんで、全国区の人だ。

仕事ではなく、プライベートで時々能登を旅するらしい。寄席もおもしろいけど、素っ裸の「素」
もおもろい人やった。

京都の貴船あたりに近いエリアで「八瀬」というところがある。「八瀬童子」といって、昔から
天皇家の葬儀などがあると、列席して棺をかついだり、神秘的なところ。ぼくらが学生だったころは
「八瀬遊園」があり、ときどきプールに泳ぎにいった記憶がある。
今は観光化されすぎて、行く気もしないけど、1300年くらい前から、皇族とか貴族とかが
わざわざそこまでいって楽しんだ風呂がある。「八瀬の釜風呂」という。
簡単にいうと日本式のサウナや。三輪福さんところで今月「ペチカ」の講習会をやった。
本来のペチカも、あたたまるまで丸二日くらいの時間がかかる。釜風呂もおなじくらいかかるらしい。
スイッチひとつで暖かいお湯がでる暮らしもいいけど、時間をかけた分だけの「付加価値」を
見失ってしまっている。「いい風呂」という意味では、自分の歴の中では八瀬の釜風呂が最高峰にある。

「茶の湯」の始まりは、「八瀬の釜風呂」だ、という説は、京都の茶人たちの通説でもある。
「非日常」の刹那に、自然や宇宙や永遠の何かを感じる、という意味では、そうかもしれない。
「茶の湯」・・・・始まりは「茶と湯(風呂)」  そういえば、茶の釜を「風呂」といい、
それを囲むものを風呂先屏風という。釜も両方ついている。

能登半島には、能登島というところがあり、そこに「千寿荘」という民宿がある。
こないだの能登地震で地層に変化がおき、温泉の成分が格段によくなったらしく、全国から
口コミ連鎖でつながった人たちが、水汲みや温泉に入りにくる。
おばあちゃんの機関銃トークを聞いていると、どんな難病の人も、薬事法に抵触するくらい
病気が飛んでいきそうな不思議なとこ。そこの水で目なんかをミストすると、気分爽快この上なしだ。

これから卵かけごはん。夜は「順受の会」
明日は「書の会」