月の中あたりに10日ほど能登暮らし。
東京では、朝から蕎麦を打ち、夜はなにか寺子屋があるので、
夕食は、「月イチ集まる家族」の団欒のような感じになる。
昼はぬいて、一日二食が基本。
能登には常備の食材をおいていない。縄文人よろしく、その日に
捕れた魚や畑の野菜と相談しながらきめる。
でも、今のところ、東京から持ってくる珈琲豆と原始的なぶつぶつ交換で、
野菜や魚を調達している。
昨日、「梅茶翁」でそば会の準備をしていたら、お隣のおばあちゃんから電話。
「蛸がとれたので、塩ゆでしてもっていくので、玄関をあけて・・」とのこと。
蕎麦会があるので、夕方にもどる旨の返事をしたら、「了解しました」とのこと。
予定通り約35人の蕎麦会を終え、帰宅。そばを3人前もって、お隣にご挨拶。
今朝まで家の前の日本海で泳いでいた蛸がまるごと、塩ゆでされていた。
こんな幸せなぶつぶつ交換はない。「一回はタコマリネにして」といって、
無農薬野菜を山盛りくれた。
蛸を塩ゆでする。口というか水を吹くとこの後ろあたりの内臓を手でとり、
足の付け根の口をとり、塩をまぶして、目の前後を包丁で落とし、
足は日本づつきって、お湯に入れる・・・・というのが自分流。
でもおばあちゃんは、「姿ゆで」なのだ。頭を落としていないのに、「目」
がとれている。座頭ダコ?まさか・・・
こんど詳しくさばきかたを聞いてみたいと思う。海にいったら蛸が見えたので、蛸網(タコつぼではなく、そのようなものがあるらしい)
で捕った、とのこと。海の近くで生まれ育った人たちの漁の技は、スゴイ。
昨日はそれを酒肴に、竹葉のぬる燗を飲んだ。炭火の囲炉裏に南部鉄瓶をのせ、そこに角居くんの錫のチロリ。
燗あがりしたら、久保さんの緋襷(ひだすき)の徳利に移し替え、志野のぐいのみで飲む。東京と同じ
酒器たちだが、新米のように新しい味がする。
今朝は「蛸飯」にした。能登の新米にたこぶつをのせ、甘醤油(鳥そばなどをつくる「かえし」)で土鍋で15分。
焚いている間に涎がでてくる。♪タコタコタコの足・・・味か・・