今年になって、「UFO焙煎塾」に、新人の女子ふたりが入門した。
UFOを買ったお客さんは、だいたい天真庵のHPの中の動画で自習している人が多い。
ギタリストの赤須翔くんが、ぼくが焙煎する動画に音楽をつけてくれた。
その翔くんも、岡山のほうに軸足を変えて、山の中で生活していて、けっこう頻繁に
「生豆」の注文がくる。彼は「UFO焙煎 友の会 会長」だ。
HPの「自宅でほぼぶらじるを飲む」・・・そんな部屋に、銅のミルクパンで
ほぼぶらじるを淹れる動画をのせている。そのミルクパンは、「はらみか」が
30年近く前に、銅をたたいてつくってくれたものだ。
今は、アメリカのカメラマンと結婚して四国の古民家で田舎暮らしをしておられる。
取っ手は、般若くんにつくってもらった。30年も毎日使っている。映像でもそうだけど、だいぶ「古色」
がついてきて、出口王仁三郎の耀盌(ようわん)みたいになってきた。
一昨年に、新潟の三条の職人さんに、新しい銅のミルクパンをつくってもらった。注文して出来上がるまで
一年を要したけど、めちゃくちゃ、使いやすいものが届いた。今はUFO焙煎塾で生徒専用の道具になっている。
小さな珪藻土七輪に炭火をいれ、その上にのせると、煎茶の涼炉(りょうろ)みたいになって、
すごく茶的な感じになる。口が細くなっている今どきの珈琲ポットとは、一味違う風合いである。
自分の体の一部になるころには、えもいわれぬ「味」がでてくる。
どの道も、「自分の味」がでてくるまでの武者修行。
昨日筆子さんに頼んでもうひとつ「銅のミルクパン」を注文してもらった。
「え、まだやるの?」といつもの調子だが、しぶしぶ新潟の職人さんに連絡してくれたようだ。
これから、いつまでできるかまったくわからないけど、道具というのは、「道に具わっている」ものだから
とても大切なものだ。
陶芸家の久保さんも忙しくしておられるけど、ときどき無理いって、「新しい珈琲カップ」をお願いしたりしている。
彼も「え、まだやるの?」とまわりから言われているようだけど、馬耳東風だ。
ぼくもときどき馬刺しと豆腐をつまみに、酒を飲みながら風流を楽しんでいる。感謝。