旅枕

昔から「旅枕」といわれる花器がある。
京都のちゃんとした料理屋さんにいくと、壁に旅枕の掛花が下がっていて、季節の花が入れていたりする。「さすが」だ。
その後、和菓子の名前になったりしたけど、日本人は昔から花鳥風月を求めて、旅をした。

美濃の美術館にいくと、黄瀬戸の旅枕が展示されていることがある。
胴部をグラマーな女性のように強く絞り、ロが大きく開く立鼓形の花入である。
「たてはな」という生け花の原点の形をしている。その後、「オゲンチョ」
という銅を使った花器が華道で使われるようになった。「けんざん」は使わず、「込藁」
といって、藁をすだれのようにしたものを使って花留めにした。
久保さんの新作は、この旅枕をヒントにしたものだ?

昨日、新しい「黄瀬戸の縄文ドリポット」のことをブログに書いたので、それを読んだお花の先生のAさんが
「予約していい?」と蕎麦を手繰りながら、ひとりごと。
彼女は、久保さんの器のファンで、黄瀬戸が大好きで、酒を飲まないのに、久保さんの黄瀬戸の
徳利を一輪挿しにしている。珈琲も飲まないので、きっと縄文ドリポットも、花器にするのだろう。

ぼくも新しい「黄瀬戸の縄文ドリポット」ができたら、旅枕に見立てて、世界中を放浪して
わたろうかしらん?

久保さんは、今大変に忙しくて、半年先まで休みが取れないくらい注文がきているようだ。
だから、ぼくのブログは、業務報告を兼ねることがしばしばある。
昨日今日のを読んで「やばい、そろそろ、黄瀬戸の土をこさえて、縄文ドリポットと珈琲カップを
つくらなくては・・・」と思っておられる。もう30年くらいのつきあいなので、そのあたりは阿吽の呼吸だ。

「二日続けてUFOが売れた」という話は内緒にしておこう(笑) しかもふたりとも美人だ!・・・これも内緒。 
カフェなども、物価高騰の折の「これから」のことを考えたら、「自家焙煎」にしたほうがいいかもなんばん、と思う賢い美人が
増えてきた。感謝。