味噌つくりの準備中に、いずしが飛んできた!

味噌つくりは、お店を始める前から池袋でやっていたので20年前から始めた。
押上の駅前にあった「コネル」という雑貨屋の女将さんが
「やりたい」というので、一年目は6人からスタート。
手と手がつながり、お豆が醸し続けて、最近は100人を超える大所帯になった。(一日4人とかで、毎日)
「子供が独立したので、今年はお休み」というのもあれば、「家族が増えたので、一口多く」
とか、関西や九州に移住したのに、「年に一度の里帰り」よろしく、元気な顔を見せてくれる人
がいたり、悲喜こもごもの一年の近況を語りあう場でもある。

使う大豆も、「九州に移住して大豆を無農薬でやっているくん」とか、友達が深谷でつくっている「借金なし」
とかから始まった。7年前から、能登で半分暮らすようになって、能登で知り合った農家さんから調達したり、
北海道の大豆をつかったり、毎年気温の変動とかで、出来不出来の波をのりこえながら、その時に「縁」
ある豆を使用している。

塩は、能登の「揚げ浜式」。麹も、縁ある人たちから調達している。
いろいろな縁か、重なりあって、「手前味噌」ができある、というわけだ。もちろん、各自の手についた菌や、
一年以上醸す「家の環境」によっても、味がかわる。
野菜をつくったり、お米をつくったり、味噌や梅干しなどをつくったり・・・・
食べ物を自分でつくってみると、「ありがとうございます」とか「いただきます」という挨拶にこめられる「気持ち」
が違ってくる。

先日、そんなこんなで、いろんな準備をしていたら、北海道に移住したMさんから「いずし(飯寿司)」が飛んできた。
今朝のNHKのニュースで、新潟の鮭が前年の15%しか獲れていないとのこと。やはり温暖化が影響しているようだ。
いずしとは、鮭(にしんでもやるらしい)、ごはん、にんじんや生姜などの野菜をこうじに漬け込み発酵させたもので、北海道の民に親しまれてきた郷土料理。九州から北海道までを往復していた北前船が、各地各地で「醸す文化」を融合させた歴史の
産物でもある。彼女が、お友達といっしょに、自作したもで、魂のこもった到来もの。
仕事が終わって、「佐久の花」というそば焼酎の蕎麦湯割りで、一杯やりはじめた時、「いずし」をつまんでみた。
「これは日本酒やな~」と思いなおし、蕎麦焼酎を一気飲みして、ちょうど秋田からやってきた「百竈」の生酒を、小さな蕎麦猪口に
入れて飲んだ。あらためて、北海道のほうをむいて、「ごちそうさま」。いずしは、TQ研究所の山田学さんに還暦のお祝いにもらった
「どらえもん皿」(TQ処理がされてある)に盛る。クソまじめな山田さんが、ぼくの誕生日がどらえもんと同じ日なので、
そんな洒落たプレゼントをくれた。そして、Mさんも、同じ誕生日(ぼくの二回り下)なのである。感謝。