2018年から、東京と能登の二股暮らしをしている。
片道600kくらいの距離があるので、毎月は大変だと思われているけど、
旅をしている感覚で、けっこう楽しんでいる。
ほんとうは、今年の2月の「味噌つくり」で、東京のお店は弟子に渡して、
能登に完全移住する予定だった。正月にとんでもない地震があったり、弟子の
家族に介護が必要になったり・・・で、そのまま延長している。
能登までの交通費は、高速代が6900円(ガソリン代は、今の車は燃費がいいので片道4000円くらいかな)
往復で2万ちょっと。飛行機で早割で往復している人もいるけど、同じくらいの金額やろか?
能登の家は、現金で買ったのでローンも家賃も発生しない、集落の人たちでささえるインフラの積み立て・万雑(まんぞう)が年2万。
光熱費は、ガスは契約していないし、トイレをコンポストにしているので、水の使用量は、水道屋さんが
びっくりするほど安い。藤瀬霊水を汲んでいるのも大きい。電気は、エアコンがいらない土地だし、ソーラパネルと車で、蓄電池に蓄えていくので、これもびっくりするほど安い。たぶん、能登だけで暮らしていくと、ふたりで「月7か8万円」くらいでやっていけると思う。
自分負担で合併浄化槽をつくった(これは、街で少し多めに助成しないと、移住者がこんよ・・と役所に談判したけど、シカとされた。100万くらいかかった。軽トラが買える金額)ときどき石川県浄化槽協会に、汚れ具合などをチェックしてもらっている。
昨日コンビニで支払いをしたけど、5000円。だいたい3年に一度、その浄化槽を汲み取りをやってもらう。
いくらか忘れた。業者さんいわく「こんなにきれいな浄化槽は見たことがない」らしい。6年たっても、汲み取りの
必要がないみたい。お客さん用に、水洗便所もつくったけど、ほとんどがコンポストトイレを使用しているのと、
水洗トイレの水道のところに、「元気シール」を3枚貼っているのも、効いていそうな気がする。
エンゲル係数、というか食費が都会と田舎では大違い。もちろん田舎のほうが、ゆたかで安い。
この6日間、ぼくの財布からは、一円も出費がない。霞を喰うレシピも完成まじかだけど・・・
贅沢ではないけど、吝嗇でもない。この3日の夕飯は、到来ものの魚だけで、カンパチ一尾、フクラギ(正月ころブリに出世する魚)2尾、
アオリイカ2尾・・・アラや、頭や、カマなどは、野良ネコの餌。それでもふたりでは食べきれないので、
半身は梅酢をシューして冷凍し、朝ごはんや、東京のお土産にする。アオリイカは、刺身で食べ、エンペラと
ゲソは、パスタにしたり。今日は土曜日で、この集落の人たちは、船もださず、釣りもしない。
ぼくもいつもなら、この時間は、釣りをしていて、二日に一尾のペースで、タコやイカやヒラメなどを釣る。
地震以降、タコはどこかの避難所にいるようだが、タコがとれると、タコ飯、刺身、パスタ・・・
とくに能登のタコは美味い!来客があると、「自分で寿司をにぎる会」にしたり、タコ焼き、タコガレット大会になったり。
畑では、辛み大根とかサツマイモをつくっている。夏野菜は、半分留守なので、もっぱら近所のおばあちゃん
たちの「お流れ」を頂戴している。
明日は能登町の梅茶翁に陣中見舞いにいってくる。みんなで炭火でバーベキューをする予定だ。
都会で生活していると、「おいしいものを食べる」に重心をおくことが大半だが、田舎暮らしは
「おいしく食べる」に、重心をかえる。おいしく食べるコツは「よい友達といっしょに食べる」
につきる。よい友達をつくるコツは、「まずは、自分がよい友達になる」ことだと思う。
炭を使う生活にすると、友達たちの笑顔が、ますますべっぴんさんになる。UFOの焙煎塾や、
能登で始める三日坊主の無茶修行にくると、炭の扱いのノウハウを手取り足取り指導する。都会ではなかなかむずかしいけど・・
還暦を過ぎてから半分田舎で暮らしているけど、けっこう「オフグリッドな生活」に近づいていると思う。感謝。