選挙が始まった。
田舎、しかも鉄道も最寄りの駅まで車で一時間、NHKーFMも届かないないようなところで暮らしていて、
テレビもないので、世間のことは聞こえてこないけど、いい国をみんなでつくっていかんとしゃーない。
でも、どんな田舎で暮らしていても、「宇宙とつながっている」というユニバーサル時代になったことは間違いない。
しかも、ここ能登はNASAも正式発表したけど、「UFOが頻繁に到来する地」だそうだ。
余談だけど、ぼくは毎日UFOで珈琲豆を焼いている。とてもユニーバーサルな暮らしだ。
固定電話がなく、お店の電話がぼくの携帯になっているので、毎日のように営業電話がかかってくる。
昔は「名簿売ります」みたいな危うげな会社が、あまたあったけど、このネット社会になってから、
「個人情報保護法」なんかできたけど、結局のところは、「情報だだもれ社会」になったということだろう。
昨日、となりの港で、タコ釣りをしていたら、釣り仲間でひとつ上の人と、四方山話になった。
彼は、年金だけで、奥様とふたり暮らし。
「二か月(たぶん、年金が二月分支給されるので、そんな単位なのだろう。ぼくは、その日暮らしなので、
単位が一日いくらになる。5日能登にいるけど、財布がどこに置いてあるか、わからない。つまり一円も使っていない)
で、6万くらい。後は食費と、犬と猫の食事代。月に換算したら、10万弱くらいやな」とのこと。
「今日は、タコが釣れなかったので、山に〇〇茸(方言なのが、聞き取れなかった)をとりにいってくる」
といって、軽トラにのって帰っていった。「ゆたか」だ。
子供も独立し、家の家賃もないので、だいたい能登人の年金組世帯の人たちの平均はそんなものだと思う。
田舎暮らしをすると、手取りで10万円あれば、充分食べていける。
みなさん、体が動けるうちは、伝馬船にのって釣りにいき、畑で野菜もつくったりしているし、
シルバー人材センターや、もろもろのバイトをしている人もいるので、その気があれば、余裕で
貯金もできるだろう。都会で、非正規社員で自給が1500円になったら、月給が約20万。
保険とか税金で半分近くもっていかれるので、手取りは10万くらい。
うらぶれた墨田区の長屋かて、家賃は6万くらいするし、マンションだと1部屋で8万くらいするので、
暮らしが成り立つはずもない。学生で仕送りをもらっている人の一日に使えるお金が660円。
学食がどんなに安くても、残りで珈琲一杯も飲めないのが現状だ。もちろん、仕送りしている親は
霞をおいしく食べるレシピを手にいれないと、干上がってしまうだろう。
でも、「月10万円、好きなものを食べたり飲んだりして、好きなことをして、少しおつりがくる」
生活を、自分で場所をきめ、工夫しながらつくっていく時代がきた。
江戸時代は、「爪楊枝」をつくりだけで、一生食えた、とか、「金色の糸」をつくるだけで生計がたった、
とかいう人があまたいたみたい。ガラス職人の多い墨田区には「すりし」という、ガラスの仕上げをするだけの
職人が最近までいた。(電車のスリ師はいっぱいいるけど・・・)
そんな真っ当な「一生もの」の仕事を、それぞれが模索しないといけない時代になったみたいね。
今日は、釣り場で、違う若者にあった。海の近くで、ものつくりをしていて、震災で家が全壊して、
次の「家」を探しておられる。「見つかった?」と質問したら「どの家も地震でへたっているので、土地を
買って、地震や災害に強いオフグリッドな家を自分で建てます」と胸をはって笑っている。
天災は忘れたころにやってくる。今は忘れぬうちに次から次にやってくる。
でも、天才も、こんな時代に生まれてくるのだろう。タコは釣れなかったけど、いい一日の始まりになった。感謝。
