日向においしいものあり・・・

先日、日向灘を震源にする大きな揺れがあって、南海トラフ地震が警戒されている。
わたくしの祖先の墓は、延岡にある。父はそこに眠っていて、今年
7回忌を迎える。

幼稚園の時、あまりワンパクが過ぎるので、日向の美々津(みみつ)というところでそばの製麺屋を営んでいた叔母のところに、しばらく預けられたことがある。叔父は、養蜂をやっていて、その後宮崎の養蜂組合の理事長なんかをやった人だ。
名前に違わず、「美しい美しい港」がある街だ。養蜂がやれるところも、美しい水と自然があるところに限られる。
そんな意味では「美々津」というところは、楽園だと思う。

毎日朝起きると、近くの川にいって、泳いだり、魚を釣って遊んだ。手伝いになったかどうか、はなはだ疑問だけど、
養蜂や製麺のマネごともしたように記憶している。確かな記憶は、叔母のそばがめちゃくちゃ美味かったこと。
日向灘でとれるイワシでつくるイリコは、昔から秀逸だといわれていた。そのイリコと日向の椎茸をきかせた「そば汁」
の味は逸品で、毎日3杯くらいおかわりをして、叔母を喜ばせた。
何年か前に叔母が鬼籍に入った時、電報を打って「ぼくが、そばの道にすすんだのは、叔母さんのおかげです」
と伝えた。

墓参りに延岡にいく時、いつも足を延ばして、日向を訪れる。
江戸時代に、長宗我部 平兵衛(ちょうそかべ へいべい)さんが見つけた、というヘベス(平兵衛さんの酢)
が並ぶ季節だと、必ず買ってかえる。カボスでもスダチでもない、いいとこどりのような柑橘。
夏に、そば汁を冷やし、そばが盛ったどんぶりに入れ、ヘベスを薄く輪切りにして食べる。
ぜったいにメニューにはのせられないけど、天下一品のそばになる。

今日は12時から16時まで営業。それから能登へ帰る。
「能登休み」は22日金曜日まで。感謝。