まだ梅雨入りはしてないばってん、蒸し暑くなってきた。
そんな時には「うなぎを食べたくなる?」・・
というか、「うなぎを食べるときは、どこにいきますか?」
などという話になる。
昨日の夕方、ナベサダのバッハを聴いていたら、N郷のYさんが珈琲を飲みにこられた。
九州で仕事をする時は、黒崎の「田舎庵」でうなぎを食べるそうだ。小倉と黒崎に
あるのだが、N郷のうなぎ好きの仲間たちも、「黒崎」に軍配をあげるらしい。
今回ひさしぶりに黒崎にいったので、寄ってみようと思ったけど、黒崎駅前のアーケードの
中の、「おむすび YO-KA-YO (よかよ)」というキッチンカーでおむすびを売っていた美形の笑顔にひかれ、
うなぎが、おむすびになった。
東京で「うなぎ」を食べるときは、キラキラ商店街の「ぶんかん」の手前の店(店の名前は知らない)
にいく。何年か前に鬼籍に入られたけど、生涯現役だったおばあちゃんがいた働き方が好きで、
ときどきいった。うなぎ前?(そばができるまでに飲む酒を、「そば前」という)に、板わさなどを酒肴に
菊政宗のぬる燗を飲む、のが好きだった。
おばあちゃんがいなくなってから、亀戸の小さなうなぎやにときどきいく。この店のうなぎ前は、「常温の〇〇」
のみ。開店以来40年、変わらない頑固さがいい。正直いうと、「うなぎ」はあまり好物ではない。
「うなぎ前」を楽しむために、ときどき、気まぐれに「うなぎや」の暖簾をくぐるだけだ。
だから、評判のお店や、並ぶようなお店には入ったことがない(笑)
そのうなぎやの「常温の〇〇」の影響で、最近は夏でも燗か常温の日本酒を飲むことが多くなった。
昨日の朝、久保さんから新作の「黄瀬戸(きせと)」の徳利が届いた。小ぶりで、緑の「タンパン」と「コゲ」の風合いがいい。
玉子かけごはんが終わって、昼の準備をしている最中だったけど、カウンターに並べて、眺めていたら、酒が飲みたくなった。ので、
ひとつ選んで、常温の能登誉をいれて、同じキセトのぐいのみで飲んだ。五臓六腑に染みわたる。
最近は、夏吟とかいって、アルコール度数の少ない日本酒を、グラスやワイングラスで飲むような輩が多く
なってきたけど、やはり日本酒は、徳利からぐい呑みに入れて飲むのがいい。昨日は飲酒運転いや飲酒営業だった。
酒飲みのことを「左党」とか「左利き」いう。大工は、左手に「鑿(のみ)」、右手に「金槌(かなずち)」を持つ。
「左手にのみ」の洒落で、左党になった。
徳利・・・・酒席で、一番気が利くやつが、「ま、社長一献」とか「先輩、どうぞ」
とか上手に場を盛り上げてくれる。つまり「徳のあるやつが、利かせる器」、という素晴らしいネーミングなのだ。
利害得失のみで行動する日本人が増えてきたのは、「徳利文化」が絶滅危惧種になったのと大きく関係するのではなかろうか。
たまには、スマホのスイッチをオフにして、徳利の首をつまんでみないか?お金にはかえられない「ゆたかさ」がひろがる。感謝。