世界おいしいごはん、TKG・・・玉子かけごはんの日。
昨日、近所に住む大学生がそばを手繰りにきた。近くの専門学校に昨年入学したけど、
世田谷にある某大学を受け直して、合格した。世田谷にアパートを借りるつもりでいたけど、
「天真庵が遠くなる」(彼の母親がそういった)ということで、押上から一時間かけて
通学している。学食では100円で朝ごはんが食べれるらしい。昼の学食は丸亀製麺が
運営していて、うどんが安く食べれるらしい。「ごはんものはないの?」と聞くと、
「効率が悪くなるのか、めんだけです」とのこと。学生の健康面と、若い胃袋のことを考えると
「?」な感じだけど、大学も食堂もその運営を担う会社も「効率最優先」みたいで、「大変」なコトが
学生の財布まで連鎖しているような気もした。
仕送りをする親も、物価や税金や保険料があがり、エンゲル係数も50%に迫る時代。下宿している大学生
の一日に使えるお金が、平均660円。・・・朝ごはんを、吉野家とかにして、昼ごはんは、丸亀の「すうどん」
にしても、夕ご飯代や珈琲代は残らないような厳しさだ。
そんなこと考えながら、5時におきて、お米を研ぐ。
最初に入れる水を「東京水」、つまり普通の水道水にすると、お米の中にカルキとかメディカルな味が浸透するので、
浄水器の水ですばやく洗い、水を捨てる。といっても、空のペットボトルに漏斗(じょうご)でいれてとぎ汁を
発酵させる。しばらくたって、お店の前のプランターや、水をためる甕(かめ)に入れる。
2007年に天真庵を結んでから、ずっとそうしている。311の時、友達が放射能を測る「なんやらカウンター?」
みたいなもんをもって、線量を測りにきたら、ほとんど針が振れないのにびっくりしていた。
たぶん、その水のおかげだろう(+元気シール)と思っている。
3度くらいそれを繰り返し、洗ったお米を笊(ざる)にあける。そのタイミングでコンビニにいって新聞を買う。
石川出身の力士が、優勝したことを知る。新聞を読む間に、火起こしに炭をいれ、コンロで火を起こす。
墨が赤くなっておきたら、珪藻土の竈(かまど)に移して、羽釜に米をいれ、能登の藤瀬の霊水と「うめ星」
をいれて、木の蓋(ふた)をして、竈の上に羽釜をのせる。
あとは「はじめちょろちょろ中ぱっぱ 赤子泣いても蓋とるな」の鉄則を守り、新聞を読んでいると、
香ばしいごはんがたける煙が部屋中にたちこめる。うちわで竈の排気口をぱたぱたしながら、コゲの匂い
がするまで待つ。「ここだ」という米の声が聞こえたら、火傷しないように、分厚い手袋(あれ、なんていうの?)
をして、テーブルの上において、蒸らしの時間。
竈の中の炭を、つぎに「珪藻土七輪」にうつし、手回し焙煎機で焙煎。
焙煎した後は、「火消し壷」(よくばり七輪という火消し壷になる七輪があると便利)にいれてもいいし、囲炉裏に炭を
移して、鉄瓶か薬缶で湯をわかしてもいい。
炭火の何段活用かで、暮らしが「エコ」とかいうには俗っぽすぎるほど、「ゆたか」になる。
縄文時代が一万年以上も続いたのは、彼らが、人と争わなかったことと、この「火」を上手に使いこなした
ことが大きな要因だったような気がする。
炭火で、焼き肉をしたり、魚や野菜を焼いたりして食べると、「同じ材料?」と疑うほど、筆舌を超えた味を堪能できる。
今日は、玉子かけごはんを10時で終わった後、買い物にいき、12時から18時まで営業。感謝。