毎月、月初めの木曜日は「UFO焙煎塾」。
タトゥー青年が、朝10時少し前に「ちわっす」とやってきた。
ちょうど、能登の丸和工業の七輪で焙煎をしていた。
「めちゃ、いい香り・・・テンションあがりますね」
このフレーズを聞くと反対にこちらのテンションがあがる。
二爆ぜが終わり、シティーローストになった珈琲豆を、木桶に
入れて、桶をフライパンのようにふって、チャフ(薄皮)を飛ばす。
「え・・・・スゲー技ですね。ぼくにもやらせてください」で交代。
タトゥーつきの腕を一生懸命にゆらして、マネをする。
「この作業も縄文的で、テンションあがりますね」・・・「?」
つぎは、いよいよUFO焙煎の伝授。エチオピアのモカを焙煎。彼はアフリカにいって難民の支援などをおこなうことをライフワークにしている。一時帰国した今年の正月に能登の地震があり、「今年は能登にいって、避難所の人たちに珈琲を淹れる」ときめた。
「じゃ、UFOを能登に里帰りさせよや」というプロジェクトのはじまり。
縁あって、ひょっこりひょうたん島の「能登島」に拠点ができて、そこから輪島や奥能登にいって、珈琲を
振舞うらしい。UFOがちょくちょく訪れる能登人にとっては、少し(顔にまで)タトゥー飾りをした青年に
違和感はないと思う。とっても「縄文的」であり、人間味あふれる青年だ。
モカも二爆ぜして、チャフを飛ばし、石臼で挽く。
長袖のTシャツをめくって、半時計まわりにまわす。新しい模様のタトゥーがあらわれ、
石臼とダンスするように、まわるまわるよ・・・地球も宇宙もまわる気分?
「石臼は、縄文ですね」と、当たり前だけど、目を丸くして、テンションをあげていた。
ネルドリップで、銅のミルクパンで珈琲を淹れる。
「銅は縄文時代にあったんですかね・・?」
「どうやろ」とぼく。
「うまれてはじめての珈琲です」といって、ぼくのデミにいれてくれた。
ふたりで、モカを飲む。
「この珈琲を能登の人にふるまえたら、テンションあがりますね」
「スマホもってないので・・・」といって、e-mailのアドレスをくれた。
「tengyo@・・・」と綴られている。「そういえば、名前は?(勝手にタトゥーくん、と呼んでた)」
「て・ん・ぎょう!です」
「ふーん。てんちゃんか。」こないだも天皇さんが能登にお見舞いにいかれた。今月は
もうひとつの「てんちゃん」が、奥能登で、珈琲を振舞うことにあいなった。
なんか、ウキウキしてきた。彼のテンションが憑依したのかもなんばん。
最後に、テーマソングを歌う。
♪波をちゃぷちゃぷちゃぷちゃぷかきわけて(ちゃぷちゃぷちゃぷ) 雲をすいすいすいすい追い抜いて(すいすいすいすい) ひょうたん島はどこへ行く ボクらを乗せてどこへ行く (ううううーううううー) 丸い地球の水平線に 何かがきっと待っている 苦しいこともあるだろさ 悲しいこともあるだろさ だけどボクらはくじけない 泣くのはいやだ 笑っちゃお 進め〜!ひょこりひょうたん島 ひょこりひょうたん島 ひょこりひょうたんじ〜ま〜